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№2178 10年先を見越す企業戦略

№2178 10年先を見越す企業戦略

企業の交流会で「10年先を見越す企業戦略」が話題となった。

 マイケル・ポーターは「戦略的ポジションは,1回限りのプランニング期間だけでなく,10年ないしそれ以上の視野を持たなければならない」という。10年先の視野というのは経営者にとってなんだろうか。

 ドラッカーは「時間軸」という言葉を重視する。しかし,社長は未来を予想するわけではないという。

  「重要なことは,未来において何が起こるかではない。いかなる未来を今日の思考と行動に織り込むか,どこまで先を見るか,それらのことをいかに今日の意志決定に反映させるかである」

 ドラッカーは時間軸を重視して短期,長期に分けて計画を立てていくことが必要とする。しかし,それは「予測ではないという。」「未来は予測できない。」とも言う。その上で,未来を考えろとドラッカーは言うのだ。なぜならそれは「今」を決めるために必要だからだ。

成長への願いは子供の成長への願いに似ている
 それにしても,マイケル・ポーターのいう,10年先での戦略的ポジションを考えるというは並大抵のことではない。でも,考えてみれば,我が子を育てるとき,私たちはこんな子供になってほしい,将来は立派な大人になってほしいと願って,今の教育を決めているではないか。企業も子供を育てるのと似たところがある。

たとえば,IOTが世界を変えつつある
 今やIOTは普通の言葉になりつつあるが,歩き始めた幼児のようによちよち歩きのように思える。これは幼児が自力で動き出すのに似ている。IOTは現実に世の中を動かし始めている。しかも,幼児のように急激に成長を遂げつつある。10年先には「人」「もの」がインターネットによって相互に有機的につながっていくことだろう。

未来はどんな基準で動くか
 家庭,職場,道路,駅,コミュニティ,都市,インターナショナルな工場,あらゆる場所が有機的につながり,あらゆる場所にAIが最適化を目指して活躍することだろう。最適化の基準は「人が生活する上での快適さ」であるに違いない。

 人は生物なので,「快適さ」は生物としての快適さであるに決まっている。もちろん,「脳」の求める快適さも含まれている。「脳」何も欲望ばかりを求めていない。人との交流や,人格的高見だってほしがっている。

新しい社会と業界の遷移
 産業構造も大きく変化する。当然業界が変化すれば,自社のポジショニングも変化しなければならない。自動車裾野産業の概念も,機械部品からIT部品に遷移しているだろう。製造業やサービス業あらゆる場面でIOTが作り上げようとしている未来社会に対する対応が必要だ。そんな中私たちは何を決断するのだろうか。

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