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№2149 胸を打つ盛和塾報告

№2149 胸を打つ盛和塾報告

盛和塾のことを知る機会があり、機関誌を読んでいる。
 盛和塾では中小企業が経営について勉強するためにいかに真面目に集まっているかがよくわかる。盛和塾ではフィロソフィーを大切にするが、常に実践の中で試される理念のことを指している。塾員の講演記録や塾長(稲森和夫氏)のコメントを読んでいるとかなり勉強になる。

 私がいただいた機関誌は平成25年の古いものだが、内容は決して古くない。いくつかの企業経営者の報告が記載されているが、例えばある運送会社の社長の報告だが、その赤裸々な奮闘記録は胸を打つ。

ある運送業者の奮戦記
 2代目経営者として奮闘し、徐々に業績を伸ばしてく。決算書のよる業務分析も重視し、黒字体質を作り上げた。自己資本比率も7.7%から徐々に改善し10%に伸ばし、さらに30%を目標にするところまできた。

 この会社はさらに売り上げ50億円を目指す会社として5カ年計画を立てていった。ところが、売り上げの伸びを追求したあまりに過剰な設備投資に気づかず、売り上げは伸びるが、利益は減少、さらに赤字転落という結果に陥ってしまう。そうなると次々に問題が起こり「会社が壊れてしまいそうな感覚」に陥る。

 私たちもこうした企業をよく経験する。急激に業績を伸ばしてきた会社は売り上げの増額イコール会社の拡大だと勘違いし、組織的な整備を怠ったまま数字ばかり追うことがある。そして、あるとき突然倒産するのだ。私は顧問先が急激に伸びている企業である時には常にこの点を見ていくことにしている。

社長を支えた言葉
 ともかく、この会社はそんな危機を克服するのだが、そんな社長を支えた言葉は「誰にも負けない努力をする」「売り上げを最大に、経費を最少に」「土俵の真ん中で相撲をとる」という塾長の言葉だったそうだ。

 この社長は自社のフィロソフィー(経営理念)には独創性について次のように書いている。この言葉には土俵の真ん中で懸命な努力をしている姿が浮かんでくるようだ。

「独創的な仕事とは世間があっと驚くようなすばらしいものとは限りません。他社が嫌がるようなしんどい仕事、難しい仕事を断らず、粘り強くこなしていくことで他社には真似できないサービスを提供できればそれも独創的な仕事と言えるのです。」

 この会社の報告は平成25年のことなので現在がどうなっているかはわからない。ウェブサイトを見ると、年商52億円になっているので、きっと順調に伸びていったのだと思う。

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