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№2142 盛和塾

№2142 盛和塾

縁あって盛和塾にオブザーバー参加しました
 盛和塾は京セラ創業者稲森和夫さんを塾長に全国の中小企業家が学ぶ勉強会だ。全国各地に盛和会があって,縁あって名古屋の会に出席させてもらい、非常に勉強になった。盛和会は1983年に京都で始まり,全国1万人を超える経営者が参加し,中国にも支部がある。

フィロソフィって?
 盛和塾では「フィロソフィ」という言葉を大切にしている。あえて哲学と言わず英語で表現しているのは特別な意味があるかも知れない。企業経営は現実を動かすリアルな世界の問題で,「心」の問題を説いて果たして人が動くのだろうか。

 稲森さんは日本航空の会長を引き受けて再建するにあたり,「会長就任直後に,経営幹部約50名を集め,1ヶ月にわたりほぼ毎日,集中的なリーダー教育を行いました。」と講演している。日航幹部といえば一流大学を出た人ばかりだろうが,1ヶ月もの期間、毎日どんな教育したのだろう。

 講演記録では「日航の幹部たちは,一流大学を出たインテリたちですから,私が説く,『常に謙虚であれ』『地味な努力を積み重ねる』『人間として正しいことを追求する』などというような,一見プリミティブな考え方に対して,当初は違和感を覚えていたようです」とも述べている。

理念が力を生み出すプロセスというのがある
 しかし,心の問題を説いた稲森改革は急激に日航社内に浸透していく。心の問題は「空港のカウンタで受付業務をしている社員が,お客様にどういう対応をするのか。」「飛行機のメンテナンスに従事する整備の人たち・・・が,どういう心のこもった仕事をするのか」という職場の前線のあり方として具体的に提起されている。

 稲森改革は会計管理にも及び、有名なアメーバ経営日航に導入されていく。路線ごとに採算が計られ,「整備や空港カウンタなどにおいても,組織をできるだけ小集団に分け,それぞれが経費を細かく管理できるようにしました」。フィロソフィが現場のあらゆる部分に浸透するという意味はこうして具体的に語られている。

 これでは「インテリ」たちも納得せざる得ないだろう。

会員のみなさんの報告も説得力がある
 機関誌盛和塾には塾員たちの自社での活動が報告されている。盛和塾の考え方を自社にいかに応用してきたか,自社の「フィロソフィ」をいかに作り上げてきたか,現実に会社がどのように危機を乗り越えたか、いかに大きくなっていったかが触れられている。実践で試されているので説得力がある。


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