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№2135 カマキリ君

№2135 カマキリ君

カマキリは偉大な昆虫だ
 カマキリは偉大な昆虫だ。どんな強敵でも敢然と立ち向かっていく。春秋時代,斉国の君主である荘公が、自らが乗る車の前に敢然と立ちはだかるカマキリを見て,あえて車をよけさせた。

 韓詩列伝中の「蟷螂の斧」という有名な故事だが,部下はカマキリを自分の力量も顧みず,敵を軽んじている愚かな虫と評価したが,荘公は「此れ人為らば必ず天下の勇武為らん」と,人だったら,天下をとる武勇であろうと敬意を示した。

 力量も図らず相手に敢然と立ち向かう姿は愚かな姿かも知れない。漱石の猫にも蟷螂君が出てきて,猫に敢然と立ち向かうが,さんざん遊ばれて最後は猫に食べられてしまう。蟷螂君に何を見るかは人によって違う。荘公は蟷螂君に英雄の美学を見たに違いない。
 
カマキリは動くものに反応する
 カマキリは実におもしろい昆虫で,小さいときはあの鎌に挟まれると痛いんじゃないかと思っていつもおびえながら捕まえていた。しかし,実際,挟まれてみるとたいしたこと無かったのでいつしかわしづかみするようになっていた。

 動くものに必ず反応するので,それもおもしろかった。誇り高いカマキリは死んだ餌は食べない。しかし,糸でぶら下げてゆらゆらさせると食いつく。テレビなどで見ても,カマキリの反応の早さは実に見事だ。

カマキリ君の目は人間と違うんだぞ
 カマキリ君の目は,当然獲物を獲物を立体視できるしくみになっているはずだ。複眼の目2つと単眼3つ。
 人間の目は2つの目で立体視する。異なる確度でものをとらえ,脳内で情報処理して,立体的に捉えている。実はこの画像処理は相当高度な処理なのだそうだ。動物でこの手の処理ができるのは,人間などの猿,猫、馬、フクロウで、なんとヒキガエル立体視できるらしい。

  でも,カマキリ君の目は同じ立体視でも,人間とは情報処理の方法が違うのだそうだ。昆虫などの小さな脳ではとても人間と同じように立体視する力はないのじゃないかとも言われていたそうだ。そこで,カマキリ君の目は「動くもの」ついてのみ立体視するという特殊なアルゴリズムがあるということだ。

 これはもっともほしい情報に特化するもので、動くものに反応し、そのものとの距離を正確に把握するための最小限の情報だ。獲得伝達する情報を最小限に絞り込んで低コストを図ろうというIOTの思想からはかなり重要なのだそうだ。


 いやいや,いつものことですが,人間を絶対視してはいけませんね。

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