№2125 ならずもの
私たちはならず者に時代を打ち破るパワーを期待してしまう。彼ならば何かやってくれるんじゃないだろうか。あの下品なトランプなどはそれかもしれない。
しかし,トランプのような匹夫のごときはアメリカの単なるお騒がせ虫として消えてほしいと心から願っている。
この800年にわたる乱世にあって、時代を動かした者にならず者が多い。その筆頭が、漢の高祖,劉邦だ。「史記」を読むと,いつも下品で無礼で,不遜だった。まるでトランプみたいなやつだ。しかし、劉邦の周りにはすぐれた人物が次から次へと現れてくる。同じ、ならず者でも「将の将」にふさわしい「徳」があったのでしょう。
この時代、才能あるものはたとえ無頼の徒であっても大活躍をした。漢の大将、韓信はかつては品行が悪い若者として登場するが、才能が認められ出世している。漢の将軍の一人彭越は沼地で漁をしつつ,追いはぎをはたらいていた。黥布は罪人から身を起こして,漢の将軍となっている。
春秋戦国時代はすぐれた人材を得ることが国力を強くするという認識が広まった時代だ。斉の孟嘗君(もうしょうくん),趙の平原君などは多くの食客をかかえ,その量を競った。必ずしも家柄にとらわれず,才能ある者が国政の重要な地位についている。
そして、才能ある者がてっとり早く威力を発揮する制度として中国式の官僚制度が
完成していく。
史記列伝では才能ある者の活躍が記されているが,才ある者の才に頼む力,才ある者の才を見抜く力,才ある者を使う力など,才能が世の中を大きく動かしたありようと、その活躍をささえたしくみが,様々な方面から紹介されている。
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