№2097 会社の崩壊,負のスパイラル
世の中,打つ手打つ手が裏目に出て,「なんでこんなことに。」と負のスパイラルを嘆くことがある。特に社員の離反を招くような場合,関係をうまくしようと努力しても,なんだか「負のスパイラル」を感じてしまう場合も多いのではないだろうか。
弁護士を長くやっていると、会社が「崩壊する」というようなことを何度か経験する。職員が社長から次から次と離反し,社長が何をやっても反応しない状態だ。
根本原因がある場合
例えば、会社の内紛が原因する場合。反社長グループが別会社を立ち上げ,社員の引き抜きを始めたケースでは、社員が会社に魅力を失い離反していく。
あるいは、会社の実績が落ちていき、おのずと気がなえてきて人々が離反していく。
どのような経過があるにせよ、これらは社員たちが会社に魅力を感じなくなり,支持を失った状態だ。根本的に魅力ある会社作りの実態が無かったのだから,何をやっても逃げられていくというのはある意味当たり前かもしれない。
これは本当に一からやり直す覚悟で改革が必要になる。国民の支持を失い,どうにもならない状態で崩壊していった民主党のようなものですかね。
ともかく,この改革は簡単ではないが,利益を生み出す仕組みが残れば必ず再生する。つまり,利益が生み出され,そこに人が集まり,人が生かされる経営をやり直せばよいのだ。
こういう問題の本質は,実は会社の実績がそもそも悪い,という根本問題が現象となって現れているにすぎない。理念に自信をとりもどし、利益に見合った組織づくりを進める必要がある。
疑心暗鬼の「亡霊」に踊らされる場合
もう一つ,社長が社員を疑い始め,その疑いが社員に跳ね返って,相互に不信感が増幅してしまうような場合だ。
この時社長が「亡霊」に悩まされる。金銭に関わる不正,ライバル社との密通,社長への集団的反抗,などいろいろ疑ってしまい,社長は先手を打とうとする。当然,社内の監視傾向が強くなり,小さな問題も大きく写ってしまう状態が生み出される。
「先手」と称する手だては,見え透いたお世辞だったり,必要以上の処分だったりする。いろいろな報告書を調査し,小さな文言を問題にする。本質からずれた課題を取り上げようとする。「亡霊」のおかげで判断が狂ってしまうようなことがある。
これは,会社の理念を明確に信じること,社員に対して一点の曇りもない姿勢を貫くこと,そして,人(社員)の多くは善意に動くということを信じること,こうした社内に希望がわく誠実な姿勢によって回復していくのではないかな。