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№1985 社長は呉起に学べ

№1985 社長は呉起に学べ

 呉起は紀元前400年ころの中国の軍事思想家だ。軍師ですね。司馬遷史記列伝では孫子に並んで紹介されている。

 「呉起がいくさに出るときには、士卒の最も低いものと衣服も食事も同じにし、寝るにもしとねをしかず、行軍にも馬に乗らず、自分で食糧を腰につけ、士卒と苦労をともにした。」
 呉起は用兵のうまさ、清廉さで人望を集め、大いに武勇を高めている。

 呉起の清廉さからは社長の学ぶところが多い。

 今月のビジネス法務では社長の報酬についての論考が掲載されている。

合同製鐵会長、故佐々木善朗氏はこんな風に言っていたそうだ。
「日本の集団主義的経営思想と関連して重要な点は、日本企業の平等的人間観である。よくいわれるように、日本企業では、一般社員と経営者の給与格差は、米国に比べて極めて小さい。製造現場では、取締役の工場長と労働者が同じ作業衣を着て、同じ食堂で飯を食う。これも当然だと思っている。」

オリックスグループ宮内義彦氏はこんな風に言っていたそうだ。
「(米国のように高額にならないのは)日本企業はサムライ集団だからなのです。自分たち働く会社をよくしようと、会長や社長以下、新入社員や契約社員までが方を組んで、志を持って仕事をしています。そこへ経営トップだけが大金持ちになるというシステムを取り込んだりしたら、ほかの人たちは、『もうやめた』と言い出すでしょう。みんな頑張っているのに、経営トップだけがいい目を見るんじゃ、バカバカしくてこんな会社で働けるかと。」


フランスの経済学者ピケティ氏も言ってるぞ
米国の役員報酬が異常に過大であることを問題視してるそうだ。「最高経営者に割り当てられるきわめて寛大な宝珠は、富の分配格差拡大の協力な推進力になり得る」「極端に高い重役報酬に対して生産性に基づくまともな説明などない」と述べているそうだ。

 昨今、富の格差はとんでもない方向に社会を向かわせている。米国などでトランプ政権が現れたのはその例だ。米国の恵まれていない白人層が下品で嘘つきの「ほら話」にすがりたくなる気持ちはよく分かる。おかげで米国の威信は地に落ち、国力は徐々に衰退していくだろう。

籠橋曰く
 格差は次の世代までひきつがれ格差社会では労働の質的劣化は負のスパイラルを招いている。会社も格差是正の責任があるかもしれない。


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