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番外 法科大学院のみなさんへ できの悪い答案 2

番外 法科大学院のみなさんへ できの悪い答案 2

できが悪いと思ったら反省する
 できが悪いと思ったら,教科書が正確に読めていないと反省しなければならない。その反省の一つに法律用語の定義が頭の中で整理されていないことがある。

法律用語の定義を見直す
 条文上,講学上の定義,→ 定義を構成する用語の正確な意味 → 具体的場面

 といった具合に,指さし点検するように頭にたたき込む必要がある。優秀な学生は必要でないが,優秀でない学生は常に緊張感をもってこのたたき込む作業が必要だと思う。

たとえば,虚偽表示
 これは「相手方と通じてした虚偽の意思表示」と定義されている(94条1項)。この場合の「虚偽の意思表示」=意思表示の外形とは具体的にはどんな場合だろうか。

 意思表示は多くは契約書(処分証書)でなされる。権利の外形は契約書によって作られることになる。

具体例をいつも考えてみよう
 銀行に見せるためにとりあえず売買契約書を作ったという場合はどうなるだろう。森友学園のように同じ平成15年12月3日 「15億5520万円」,「7億5600万円」,「23億8464万円」と3通も契約書があった場合,虚偽表示はあると言えるだろうか。

 つまり,外形作出される場合,内心の効果意思を欠く場合,というのはどういう場合を指しているか定義から正確に理解しておく必要がある。定義を理解しておくというのはそういうことだ。判例六法があれば,判例が並べてあるから事例から判断できるだろう。

この問題は解けるかな
 例えば「23億8464万円」の契約書に基づいて請負代金請求がされてしまった場合,契約書にサインはしたが「正しいのは15億5520万円の契約書」と反論した場合,これは積極否認だろうか,虚偽表示の抗弁だろうか。虚偽表示の定義を正確に理解していれば答えられる。 

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