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№1941 B to Bでのアフターケアの考え方

№1941 B to Bでのアフターケアの考え方

 企業間取引、B to B取引で製品に欠陥や数量不足あった場合、一般的には取り替え、修補、値引きなどで対応する。保証期間というものが定められており、その間対応することになる。

 ところで、たとえ保証期間の特約があっても、買った側はすみやかにクレーム処理しないと、売主に責任追及ができなく場合がある。これは本当に注意しなければならない。

 商人間の取引は速やかに処理せよという大原則があるからだ。企業法務を担当する者はこの点常に目を配らせる必要がある。

① 商法526条
   買主は受け取り後、すみやかに検査し、欠陥を通知しなければクレームがつけられなくなる。
   すぐには分からない欠陥であっても6ヶ月経つとクレームがつけられなくなる。
   この条文の趣旨は欠陥に対する売主の早期対応を趣旨としているため、「欠陥」をある程度特定して通知すれば良く、いくらの損害と請求する必要はない。

② 民法570条
   商品が特定の物である場合、つまり同一の代替品がないような場合の欠陥には民法570条によって欠陥部分の損失の補償を求めることができる。しかし、欠陥を知ったときから1年以内に「請求」しないとクレームはつけられない。
   代替品がある種類物場合、民法570条の適用がないとする考え方もあるが、裁判例は一定しない。1年に制限する判例もあるので注意を要する。
   ともかく、この場合の請求というのは欠陥部分を指摘するだけでは足りず、アバウトでも金○○円支払えという言い方が必要となる。私たちは請求権の行使として具体的でなければならないという言い方をする。こうした期間を除斥期間と呼んでいる。
   この問題は民法の中でも最も難解な議論が含まれている。

   1年以内に請求しても、さらに裁判などしておかないと時効によって債権が消えてしまう。商人間の場合は原則5年で消える。

 これらの条文は実態にあわないことがけっこうある。そのため、この欠陥の取り扱いをめぐる契約の取り扱いは最もデリケートな部分となっている。今回民法が大幅に改正され、かなりすっきりする。

 法務担当者としては、改正民法を参考にしながら契約上の欠陥の取り扱いをきちんと処理をしておく必要がある。

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