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№1934 法科大学院の戦略立案 2

№1934 法科大学院の戦略立案 2

顧客の最大のインセンティブは何か
 法科大学院の学生たちは大学卒業後、法曹になるため、司法試験に合格するためにあえて法科大学院への道を選んでいる。司法試験合格は彼らの人生をかけた戦いだ。当然、大学院生が法科大学院に入学する最大のインセンティブは司法試験早期合格だ。

 当然、乱立する法科大学院が競争に打ち勝つためには司法試験早期合格のために大学院は何をしてくれるかを学生たちに提示することが重要になる。

顧客のウォンツには個性がある
 関西の私学で、優秀な部類の人材は京大の一部の学生より優秀である可能性が非常に高いが、全体としては水準は違う。そのため、早期合格のために何をするかという問いに対する回答も京大とは自ずと違う。

 中小企業が大企業と同じ事をやっても競争上の優位を獲得できないのと同じだ。中小企業には中小企業にしかない顧客が存在し、その訴求するところに応じた固有の差別化があって初めて生き残ることができる。

戦略は顧客の個性にあわせた実践的取り組みである
 つまり、自社の業界でのポジションの確定と、そのポジション固有の顧客を分析して初めて競争戦略が見えてくることになる。この場合の戦略立案は組織のあらゆるつながりにおいて優位に立つよう詳細で系統立ったものが目指されることになる。

 戦略は単に差別化するというような抽象的なお題目ではなく、仕入れ、生産、販売、会計、総務など顧客獲得に結びつく全てのチェーンが一つの目的に、つまり差別化に向かって最適化が図られていく作業であって非常に具体的なものだ。

マーケッティング、とりわけブランディングの重要性
 ところで、合格さえすればよいのだからと言ってマーケッティングを軽視する意見もある。しかし、よい商品だからそれだけで売れると思ったら大間違いだ。よい品質の商品はよい品質にふさわしいブランド力を持たせる必要があるし、それを求める顧客の目に入って、動機付けを与えなければ売れることはない。

 たとえば、私は立命館大学で教えているが、立命館大学といえば京都のそこそこの私学で優秀な先生や学生も多い。その立命館大学法科大学院だからそれにふさわしい教育をしてくれるはずだというような信頼を獲得しなければ学生は来ない。

私はこんな風に環境法をブランディングしている
 私は大学院では他の研究者の方々と共に環境法を教えているが、環境法の専門性がある大学院は全国的には少ない。教育者側のレベルから言うと、たぶん、東大や京大よりも立命館大学院の方が水準が高い。しかも、環境法は民事法や行政法との重なりが多く他の科目の勉強にもなる。学生たちには立命館での環境法の教育は司法試験の高得点に直結すると伝えている。

 しかも、司法試験問題と環境法実務とは非常に近いため、今の生きた事件の最先端の議論が司法試験の勉強に直結する。司法試験受験という暗い勉強が今の生きた世界と直結するためとてもおもしろい。やる気もでる。

 だから環境法がよいのだと宣伝している。

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