№1932 いやがらせ裁判
いやがらせのためだけにする裁判というのがある。
私が経験した事例でも、中途退社した社員に対していきなり高額な訴訟を提起した事例があった。単に顧客を奪ったというだけの裁判で何が違法なのかさっぱりわからなかった。尋問で相手社長に「あなたも出身会社の顧客と取引したことはありませんか。」と質問したら、返事が無かった。これは引き受けた弁護士が悪い。
裁判は精神的にも金銭的にも大変
企業などはお金も人材もあるので訴訟自体大きな被害にならない。しかし、個人や立ち上げたばかりの企業にとっては訴訟は大きな負担となる。1000万円の裁判をされれば、弁護士費用だけでも50万円から80万円ぐらいは支払う。精神的なストレスも大きい。
嫌がらせはスラップ訴訟といいます
participation)と呼ばれている。社会運動や労働運動、ジャーナリストを狙った訴訟も少なくない。時には市民運動、ジャーナリズムなど市民の表現の自由に対する重大な脅威となる。これは平手打ち(slap)とかけています。
AV出演を断った女性に2400万円請求した事例
スラップ訴訟は引き受ける弁護士にも問題がある。
AV出演を拒否した女性(20代)に対して、違約金2400万円の支払いを求める裁判を提起した事例だ。東京地裁は解約を求めた女性に理由があるとして請求を棄却した。これは高額な契約をたてに実質的には女性にAV出演を強要するもので弁護士の品位にかける。日弁連はこの弁護士を提訴を懲戒手続きにかけている。
太陽光発電設置反対市民に6000万円請求した事例
大型太陽光発電所を隣に設置されるというので反対運動を展開した結果、結局設置されなかった。この時に、太陽光発電所を計画した会社が2億4960万9430円の損害を主張し,その一部6000万円の損害賠償請求をしたというものだ。裁判所は理由がないとして請求を棄却した(長野地裁伊那支部平成27年10月28日)。
世界にはアンチスラップ法とうい法律もあります
こうした嫌がらせ訴訟に対しては米国カリフォルニア州が反スラップ訴訟(The California anti-SLAPP law)を制定している。 カリフォルニア住民の請願権や言論の自由を守るためにおおよそ20年前に制定された。米国の場合、裁判の金額や訴訟維持のための弁護士費用も半端なく高いので特に必要かもしれない。
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