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№1922 中小企業も見過ごせないインダストリー4.0

№1922 中小企業も見過ごせないインダストリー4.0

1. IOT

 ITO(モノのインターネット)は人、ものがセンサーを持ち、それぞれがインターネットでつながれて相互につながれている状態を意味している。そこにはいくつかの特徴がある。

 ① 世の中で「もの」が引き受けている部分と「情報」が引き受けている部分を厳密に定義して区分する。
 ② 「情報」の流通だけで処理できる部分は可能な限り情報の範囲で処理する。
 ③ 流通する情報は現場、中間地点(プラットフォーム)、最終地点などいくつかの結節点で処理される。
 ④ いくつかの結節点は社会全体で相互に分業され最適化が図られる。

 これは人間の体にたとえるとわかりやすい。皮膚や目、様々な端末がある。端末で得られた情報はその場で処理されることがある。「熱い!」と感じるととっさに手を引く。歩くときは考えなくとも自然と手足が動く。
 
 端末から得られた情報は中枢部に運ばれ、記憶として蓄積されたり、思考という高度な情報処理に使われる。さらに、中枢神経から端末に向かって情報が伝達され、その情報に従い現場が処理される。中枢部ののみならず、情報流通の全過程で最適化される。

2. インダストリー4.0

 ドイツで始まったインダストリー4.0は生産現場での革新を言う。これは生産現場の個ものに端末を装備して相互に連携を図りながら最適な生産を進める一方、生産現場、流通、販売などを国内の産業のあらゆる分野もインターネットで連携を図り、社会全体も最適化を図ろうというものだ。4.0というのは第4次産業革命という意味だ。

 この壮大な計画はすでにあらゆる場面で始まっている「モノのインターネット」を体系的に把握しより高度に発展させていこうものになる。世界の工場はロボットにより無人化が進み、ラインと言わず、工業ロボットと言わず端末が取り付けられ相互に連携が図られている。生産全体もERP(Enterprise Resource Planning) などで管理されたりしている。実際、ドイツでERPの巨人、SAP社がこの政策に深く関与している。

 クラウドだって、端末での処理と、クラウドコンピューターでの処理とを分業している。情報を集積するだけで無く処理の分業や、分業者間の相互調整は行われている。

3. 中小企業とモノのインターネット
  
  中小企業は生産現場の重要な一端を担っているのでモノのインターネットとは無縁ではない。ドイツではGDPの3割が製造業で、製造業企業のうち9割が中小企業だということだ。そのため、インダストリー4.0では中小企業も含めた総合的な産業政策が推し進められているそうだ。

  米国、中国、ドイツとモノのインターネットは急速に発達している。日本も遅れはとっているらしいがこれは世界の趨勢だ。中小企業も否応なく対応が迫られることになる。モノのインターネットの社会的な影響は全体的に起こっており、変革に伴い新たなビジネス展開がいたるところで始まっている。


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