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番外 はーちゃん、カビだらけ

番外 はーちゃん、カビだらけ

 社会人になるべく、京都の学生下宿を引き払う長女はーちゃんだが、お母さんが引っ越しの手伝いに行って驚いた。部屋中カビだらけだったらしい・

 なにしろ、部屋に入った瞬間、カビ臭いにおいが充満してたらしい。本来白いレースのカーテンは、下半分が黒カビで黒くなっていたというから驚きだ。

「よくがまんしてたわよね。気持ち悪くて。レースのカーテンって白いはずなのよ。」
「お風呂もカビだらけで、入って天井を見上げたらカビで黒くなってて気持ち悪かったわ」
「あれほど、お掃除しておきなさいって言っていたのに」
「引っ越したあとカビだらけだと恥ずかしいから、できるだけ掃除したけど。」

 はーちゃんに言わせるとしめりやすい部屋の構造が悪いということらしい。どうせやっても無駄だからほかって置いたという。なんて、おろかな。

 しかし、はーちゃんを責めてばかりもいられない。お父さんも学生時代、布団にカビが生えてしまった。長い間布団を敷きっぱなしにしたせいだ。しかも、あるとき、おなかにしみみたいなものができて変だ変だと思って、病院に行ったら、おなかにカビが生えたんだと医師に言われた。

 でも、はーちゃん、おまえ女だろう、なんて言ったら差別発言かな。

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