№1918 セールスは口より耳?!
「営業の哲学」(高野孝之著)は弁護士の知らない営業の世界を紹介しているのでとてもためになる。
高野氏は言う。「セールストークは口より耳を使う」。
つまり、
■ 残念な営業マンは
「いきなり商品の説明をする」
■ できる営業マンは
「まず会社の紹介をする」
■ 一流営業マンは、
「聞くことから始める」
いや、ほんとわかりやすいたとえだ。
彼によると、病院に行っていきなり風邪薬をお勧めします、よく効きますと言われても誰も買わないだろう。ちゃんとした病院ならまず診察から始めるはだというのだ。医師は患者の状態をよく聞き、それから必要な処方を提案する。それと同じだというのだ。
弁護士の営業も同じだ。うちは中小企業専門ですとか、製造業やIT関連に強いとと言ったって相手が求めていなければ何の意味もない。まずは相手様の企業の状況をお聞きし、それから求めているものを徐々に理解していくがある必要がある。
名刺交換、日常の会合、宴会なども本来営業の場であるはずだ。
実際、すぐれた営業マンはそうしているのだろう。しかし、本来自由な交流の場で仕事に関連する話をするのは雰囲気を壊す。まして、お客様の企業の事情を聞き出すなど失礼な話だ。あるいは名刺交換しただけで聞き出すことなどできない。ほんと難しいと思う。
しかし、実は違う。
経営者はやはり自分の事業が最大の関心事だ。別に困っていることを聞く必要は無い。やれていること、他の企業にない強みを聞くことは可能だ。その中に、実は隠れたウォンツ(必要性)が隠されている。自分の業績がさらに伸びる提案ができれば、それで商品は売れる。
つまり、一流営業マンは聞き上手とは言っても、お念仏のようにそういうだけではだめだ。
聞き上手の意味は具体的に追及されなければならない。
著者は言う。
「賢者いわく、神様は人間にふたつの耳と一つの口を与えた。話す量の2倍を聞くように考えたからだ」
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