№1890 考えてみれば「植物」って何?
籠橋家3兄弟うち、上2人は理系で、農学部応用生命学科で勉強した。正月、普段はばらばらの籠橋家も一つの家に集まる。
で、みんなでお酒飲んでいて、なんのきっかけか植物が話題になった。
昔、昔、アリストテレスは感覚を持ち、運動するものが動物、感覚が無く、動かないのが植物と分類していたそうだ。でも、だんだん科学も進歩して、菌類なんかは独立してきたし、そもそも原核動物と真核動物に分かれて、さらに真核動物は動物、植物、菌類、原生生物と分かれているそうだ。
「葉緑素があるものが植物じゃないの。」と長女はーちゃん。
「そうそう、自分でエネルギーを作れる生物が植物じゃないかな」と長男ひーちゃん。
「でも、ミドリムシは動物なんじゃないの」とおとうさんが知ったようなことを言い始める。
「ミドリムシは植物になるな」とひーちゃん。
「でもベン毛があるじゃないか」
「ベン毛があったって自分でエネルギーを調達できれば植物だよ」
「理科ではそうは習ってないぞ」とおとうさんはなんだか意地を張っている。
「昔はね。」とはーちゃんがあっさりと言ってのける。「ミドリムシは原生生物じゃないの。でも、べん毛ってなんのためにあるのかしら」
父さんは実はなんだかよく分からない。真核って? 原生って?
はーちゃんが追い打ちをかけるようにいってくる。「酵母って、菌類なんだよね」、ひーちゃんも「そうそう菌だ。あれは単細胞で真核だから研究材料に向いている。」
「おい、発酵ってなんだ」、と話題について行けなくなってしまった父さんは突然別のことを言い出す。はーちゃん「それが、よく分からないの。腐ってないのが発酵って考えればいいんじゃないの」とお父さん向けにわかりやすく言い始める。
ひーちゃん「嫌気性の酸化を発酵っていうんじゃないの」、父さん「嫌気性?」、はーちゃん「狭義にはね。でも腐敗じゃないもの、有益な分解を広義では発酵って言ってるのよ。」、「人間の体の中でも発酵があるんだよね。筋肉を急に動かしたときには酸素を使わずにエネルギーを出してるよ。だから百メートル走なんかする選手はこれが重要なんだ。」
まあ、いいや。子供たちも成長したということですね。
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