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№1885 楽しい夢・こわい夢

№1885 楽しい夢・こわい夢

 夢はとても不思議だ。

 何年も忘れていた初恋の人が突然現れて、ああ、こんな人を好きだったと彼女の瞳がよみがえってくることもある。

 私の場合、楽しい夢というのはなんと言っても空を飛ぶ夢だ。
 1年か、2年に1度、この種の夢を見る。

 風に向かって両手を広げ、走り込んで凧のように舞い上がるのだ。一度舞い上がると、体が自由になり、高く舞い上がったり、時には地面すれすれに体をコントロールする。それはワシかタカのようで、風に乗ってホバーリングするような感じだ。

 私が高校生ぐらいだったと思うが、初めてこの夢を見たときはまだ飛び方に慣れていなかった。なんどか失敗してやっと飛び上がって、目が覚めたときになんだかとてもうれしかった。不思議なもので、この夢を見るたびに飛び方がうまくなる。

 こわい夢はいろいろだ。
 一番恐いのは自分が殺人犯になった夢だ。たいていは老婆を殺している。裏山の竹林に埋めた後に普段通りの生活をしていると、突然警察が来て私を逮捕する。殺人した現場は夢には出てこないし、人を埋めたというシーンも夢には出てこない。しかし、自分は人殺しで、死体を埋めた人間であるという記憶はいつも鮮明だ。逮捕の瞬間にいつも目がさめ、起きてからも夢で良かったと心底思う。

 昨日は人生で一番恐い夢を見た。
 自分の体から霊魂が離脱して、白くなってふわふわ部屋中を回っている夢だ。夢の中で白い私は「精神を病んでいる」「精神を病んでいるんだ」と大声で繰り返し叫んでいる。「かあさん、精神を病んでいるんだ」「助けて、助けて」と妻に向かって大声で叫んで助けを求めて手を伸ばしている。妻は震え、おそれてうずくまっていた。これを書いている今でも白くひきつった妻の顔をよく覚えている。でも、妻は震えながらやっとのことで手を伸ばしてくれた。

 妻の手が触れた瞬間、私はもとの体に戻り、横たわって私のためによりそってくれる妻を前に「僕は精神を病んでいるんだ。」と繰り返し繰り返し叫びながらわんわん泣いている。

 というところで目が覚めた。こんな恐ろしく不思議な夢はこれまで見たことがない。妻も含めて自分の弱さを出して人前で泣くことなどありえないのだが、夢の中では泣きじゃくっていた。

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