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№1843 経営者としての覚悟

№1843 経営者としての覚悟

 私が所属する中小企業家同友会には「労使見解」という経営者、労働者の関係について考察した文書がある。経営者の覚悟をうたうもので、大変ためになる。経営に行き詰まったり、社員とのあつれきに悩んだときには読んでみるといいと思う。

 どのような会社であっても会社は社会的存在だ。そこに関係するお客さんがいるし、そこと取引する仕入れ先があるだろうし、同業者との連携、競争もある。会社に雇われている人たちはそれで生計を維持しているのだから会社の存在は人の人生に大きくかかわっている。

 会社はこうした全ての関係に責任を持たなければならない。そして、経営者は会社にかかわる全ての活動に対して責任を引き受ける者として覚悟を持つ必要がある。労使見解ではまず、この経営者の責任というのを明確にしている。経営者はいかなる場合であっても経営に責任を持たなければならないし、経営危機がたとえ外部環境の大きな変化のせいであっても経営者は乗り切らなければならない。

 その上で、労働者には会社経営のよきパートナーとして対等な関係で対応しようというのは労使見解の考え方だ。この「パートナー」、「対等な関係」というのは時として勘違いされることがある。これは労働者にやりたいほうだいさせるという意味ではない。

 会社組織においてはそれぞれ役割が存在する。社長は社長の、管理職には管理職の、事務員やワーカーにはそれなりの役割が存在する。彼らがパートナーとなるとは彼らがそれぞれの役割を全うするという意味が含まれている。社員は経営者の指揮命令に従わなければならないし、会社の目的実現のために活動する責任がある。こうした各自の責任を明確にし、相互に尊重するというのがパートナー、対等ということの意味だ。

 責任を全うしない労働者がいれば、責任を全うしてもらうよう教育する必要がある。それでもだめなら会社を去ってもらうしかない。会社は学校ではないので責任を果たさない者にまでいてもらう必要は無い。

 もちろん、会社は社員の人生に責任を負う。彼らの生涯の大部分を会社で過ごし、働くことによって人生を設計する。会社は社員が人生設計できるよう配慮する必要がある。若くして入社し、いずれは家庭ができ、定年を迎え、老後に入る。我が社はそこまで考えることができるだろうか。

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