№1834 欠陥、数量不足への対応
商取引では大量の商品が日常的に取引される。そのため、法律は商人間の取引ついてはいろいろ期限を厳しくしている。その例として買った商品に欠陥や数量不足があったりする場合がある。
もし、購入した商品に欠陥や数量不足があった場合、すぐに売主に対してその旨通知しなければらない。商法526条は受領後直ちに検査することを義務づけるとともに、欠陥などの通知義務を課している。
欠陥などが直ちに発見できないときであっても、6ヶ月たつと、もう請求できなくなってしまう。6ヶ月というのは実務的に見るとかなり短い。たとえば、買った機械に不具合があって、どうしたのだろうと調整しているうちに6ヶ月ぐらい過ぎてしまう。クレームをつけるのが遅れて1日でもすぎるともう損害賠償請求はできなくなってしまう。
これは非常に酷なのだが、それだったら契約書に6ヶ月過ぎても大丈夫なように記載しておけと言うのは判例の立場だ。
さて、法律上難しい議論なのだが、仮に6ヶ月以内にクレームをつけたとしても、次に問題となるのが民法の瑕疵担保責任という壁がある。民法570条、民法566条は商品に欠陥があった場合の責任を定めていて、欠陥部分について知ったときから1年内以内に請求するよう定めている。
整理すると次のようになる。
① 欠陥、数量不足があった時・・・6ヶ月以内にその旨買主に告げる。
・・・欠陥を知ったときから1年以内に請求する。
①は何か欠陥があったよと告げるだけで良いが、②の請求は請求金額を一定の根拠をもって告げる必要がある(最判H4.10.20判タ802号105頁)。
結局事業主としては次の3点覚えておくのがよいと思う。
① 欠陥が見つかったら、躊躇なく売主告げる。根拠など後から考えたらよいから、ともかく欠陥、数量不足を告げる。
② あなたが買主なら、制限期間を延長したり、除外したりする契約書作成をめざす。
③ 難しいのですぐに顧問弁護士に相談する。
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