№1814 不確実な中で選択する本当のポイント
先行き見えないところでも社長は選択しなければならない。リスクをとって、利益を生み出すという選択だ。
リスクがあるからやめとこうというのであれば、何もしないことが一番のリスク回避なってしまうことすらある。これはおろかなことだ。何もしないことの積極的な意義を見いだせないまま何もしないというのはまさに「小田原評定」で、おろかな選択以外の何ものでも無い。
不確実性とは言っても、不確実性を決める要素がある。この要素に即して何がどうなったらどうなるというような因果の系列を作らなければならない。
この諸要素を決めていく手順としてディシジョンツリーを言われる考え方がある。
これは、まず何を決めなければならないかという目標を設定し、次にその目標実現のための諸要素を検討する。諸要素は戦略レベルの高次のものから戦術レベルのもの、当面の行動レベルのものと各段階に分けて配列する。
この配列に沿って不確定要素を決めるのであるが、要素の中には要素では無かったりすることがある。つまり、天気がよい悪いというのが要素だと思ったら、結局温度の高い低いが変動要因だったりする。それを徐々に整理していって、変動要素を単純化する。
こうして要素を決めていくと、今度は変動の幅というのを考えていく。
結果を大きく左右するものであるか、たいしたことは無いのかをできるだけ定量的に検討していく。小さいものは無視して良いし、なまじ考えると選択肢が増えてしまって困っていまう。
以上のなかからリスクを考え、一歩一歩ずつ進んだ場合、どこまでリスクを背負い込んでいいかを決める。3000万円ぐらいの投資であれば最悪だめになってもよいし、よくなればさらに追加して投資するなどと決める。このような尺取り虫のような選択パターンはリアルオプションと言って、昨今とても重宝がられている。
しかし、最も重要なのは変動要因をいかに単純化し、客観化するか。成功したらどうなるか、失敗したらどうなるかというような豊かなイマジネーションに支えられている。こうした論理的思考も大切だが、イマジネーションがなければただの何の前向きな議論も引き出せない。
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