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№1806 不確実性分析

№1806 不確実性分析

 「不確実性分析」(ネクスプレス社)を読み始めた。
 マイケル・ポーターは未来に不確実性がある場合にどのような方法で戦略を選択するかについて述べている(「競争優位の戦略」537頁)。

 それは予想される未来の構造を作り上げる作業だ。つまり、不確実な状況下ではいくつも未来が予想できる。最悪のシナリオ、最良のシナリオ、標準的なものなどだ。これらの未来はどのような構造を持っているかを明らかにすることによって、不確定さを左右する主要な要因を探ることになる。

 たとえば、天気によって収穫が左右するのであれば、晴れ、曇り、雨、などの要因が未来を左右する。因子ごとに対処を考えることになる。しかし、重要なのは天気ではなく気温であるとしたら、因子は10度、20度、30度かもしれない。この変数をもとに不確定の構造を明らかにしていく

 この不確定分析はどうやらマイケル・ポーターの考えを発展させた考え方をもとにしているようだ。マイケル・ポーター以降の「不確定分析」のあり方をわかりやすく紹介している。

 内容はおいおい紹介するとして、もっとも重要な作業は変動を左右する因子をみつける作業だ。たとえば、新規事業をする場合、もうかるか損するかは不確定だ。そんな中継ぎのプロセスをたどる。
  ① 製品ができて、売れていく全過程を要素にする。
  ② 各要素が未来を左右するかどうか検討する。
  ③ 他の要素が加われば改善するか検討する。
  ④ こうした作業を繰り返して、未来を左右する大きな因子をしぼりこんでいく。

 この因子を見つけ出す作業は実に創造的な作業だ。
 新しい視点が見いだされることにより未来がどのように不確定であるか明確になる。明確になることにより収集すべき情報が確実になり,実践や調査などを通じて情報が集まりにつれて不確定性の範囲は減少する。

 ことを左右するのは天気ではなく実は温度だったとしよう。温度をなんとかできれば不確定性は減少する。このあたりの「気づき」は創造的な作業だ。

 これは分析と論理を積み重ね、「次の論理」を見つけ出す瞬間に生まれる。

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