№1798 環境がリーダーを作る
仕事の関係でリーダーシップについて考えている。
リーダーシップは才能にかなり依存するように思う。しかし、才能に依存するのはリーダーシップばかりではない。歩く、走る、文字を書く、歌を歌う、テストができる、みな才能の差はある。しかし、誰もが走り、誰もが文字を書き、誰もが歌を歌う。みな、そこそこでき、その中に卓越した才能が存在する。
リーダーシップも同じだ。「全ての状況に適応される、唯一絶対のリーダーシップ・スタイルは存在しない」という前提に基づき、どんな人でも適切な状況に置かれればリーダーシップを発揮できる。これは「リーダーシップ状況適応理論」という考えなのだそうだ。
この考えではリーダーは環境との関係で作り上げられていくという信念のもとにリーダー育成プログラムに心血が注がれている。いわゆるリーダーシップの「開発」だ。もちろん、才能の差は出てくるが、それは特別ではないというだけのことだ。リーダーシップは普通にある。むしろ、リーダーシップはむしろ才能に依存するレベルは低いかもしれない。
「組織は戦略に従う」、企業理念を実現するために最もふさわしい組織形態が考え出される。作り出された組織が期待された効果をあげるようにするのがリーダーシップの役割だ。
1964年、フィードラーは「条件即応モデル(Fiedler’s Contingency Model)」を提唱し、リーダーとその置かれる環境について次の要素を提案した。つまり、リーダーシップを発揮しやすい環境とは何かを研究した。フィードラーはリーダーシップを状況をいかに統制できるかという点から研究した。
1) リーダーが組織の他のメンバーに受け入れられる度合い
2) 仕事・課題の明確さ
3) リーダーが部下をコントロールする権限の強さ
特別すぐれたリーダーには素質がある。しかし、私たちは特別すぐれる必要はない。誰でもリーダーにはなれる。環境が人を作り上げていく面があるのだ。その環境は時間をかけて適切に作り上げていく必要がある。
私の事務所では「弁護士を作り上げる」のも事務員の役目だと言っている。誇り高く、優れた業績を上げ、事案においてリーダーシップが発揮するが弁護士だとすれば、それを作り上げるのは事務局の役目でもある。
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