名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

名古屋,豊橋,東海三県中小企業法務を行っています。

№1796 優れた経営者の条件

№1796 優れた経営者の条件

 あるコンサルティング会社によると役員となるべき人材であるかとうかアセスメントする場合、3つの観点があるという。
   ① 市場構造、事業構造、収益構造のリンケージ(相互関係)を語れるか。
   ② 事業固有の成功要因を特定できるか。
   ③ みずからの仮説を裏付ける事実(エビデンス)をとってこれるか。

1. 市場構造、事業構造、収益構造

 企業である限りは特定の業界の中で競争することになる。業界というのは代替可能な商品を売りあっている関係をいう。この業界はどこで利益をあげているのか、どのようにライバルが参入してくるのか、業界全体の時代的影響はどのようになっているのかなど業界の構造及び自社のポジションをどれだけ的確に深く分析できているかによって経営者の資質が決まる。

 事業構造の理解とは仕入れから生産、マーケッティング、販売に至るまでに企業の諸活動がどのような相互関係を持っているかを理解できているということだ。その事業構造が業界の中で競争上の優位をどのように持っているかが語られなければならない。

 収益構造は利益の得る仕組みがどのようになっているかを理解する必要がある。業界内での位置づけが分かり、自社の事業構造が分かり、さらに具体的にどのようにして競争上の優位があって利益につながっているかが把握されている必要がある。

2. 事業固有の成功要因

  業界にあって企業が存続しているということは、競争上の優位を持っているということになる。この成功の要因を単純に言い当てる力が経営者としての力量ということになる。利口な者ほど物事を単純化できる。我が社は「○○」で優位に立っているという具合に単純化できる力だ。

  もちろん、経営者はアナリストではないので、未来への展望を示さなければならない。我が社は「○○」で優位に立とうと思っていると語られなければならない。この時の「○○」に人が思いつかないようなアイディアがあるかどうかが企業の持っている創造性を示すことになる。

  
  情報があふれている中、優れた経営者は事業が前進しているかどうかを示す基準を持っている。


 これは優れた経営者が必要な最低条件であって、これだけでは足りない。人を動かすだけの実行力が必要だ。この実行力がなんであるかはみんな悩んでいるところだ。高い倫理性は当然必要だろう。人に幸福感をもたらすことも必要だろう。手応えを感じさせるだけのビジョンも提示する必要もあるだろう。危機にあって明快な方針を打ち出せることも必要だろう。

 もちろん、どんな優れた議論でも実績あって初めて説得力を持つことは忘れてはならない。

名古屋E&J法律事務所へのお問い合わせはこちら
                 → http://www.green-justice.com/business/index.html 

イメージ 1