№1765 結婚式
自分が結婚するときは自分など結婚してよいのかと考えていた。それまで、子供であった者が急に親たちの世界に入ってしまうからだ。
そして、長男が生まれたときもうれしいというよりは、育てられる側がから育てる側に入ってしまって、こんなことがあっていいのかと思ったりした。子供はかわいいが、育てるというだけの立場にたつものなのだろうかと思ったりした。こうした発想は母親とは違うかもしれない。
子供がだんだん大きくなっていくだが、幼児から少年期に移行する時期は、自分の体験を整理しているような感じだった。子供いっしょに電車や恐竜の絵本を見てあらためて電車のことを知ったし、恐竜のことも知った。
子供といっしょに虫取りや魚取りもしたが、遠い昔自分ではやれなかったことが大人になったらやれていた。石の下に隠れた魚を手で捕まえたり、細い竹を竿にしてご飯粒で魚をつるなど、お兄さんや大人たちがやっていたことだ。この時期、私の子供のころの写真が気になった。しかし、気になったのは両親の若い姿だった。あのとき、自分が見た両親はどんなだったのだろうか。
子供たちが大学にはいると彼らは自分たちの世界を作り始めた。彼らと共に歩む時代は終わり、私の幼児から少年期にかけての整理も終わった気がする。
子供らはほぼ独立を始め、時には結婚のことも考える年になった。うちの若い弁護士たちは私の子供らとほぼ同じ世代なのだが、結婚式のスピーチを頼まれたりする。私は「人生の三つ袋」なんて教訓めいたことを言うんだろうか。
名古屋E&J法律事務所へのお問い合わせはこちら