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№1750 動じない心

№1750 動じない心

 日本人の心は論語の影響も大きい。中国で始まった思想が輸入されたものだが、つい日本人の心だと思ってしまう。民主主義や個人主義も私たちにとって大切だが、孔子もまた大切だ。中国では孔子社会主義という言葉もあるらしい。

  「君子固窮、小人窮斯濫矣」

  「君子、もとより窮す、小人ここに濫る(みだる)。」これは、孔子が戦難を逃れて衛国から楚国に移動する際に、呉国の兵に囲まれて何一つ食べるものがなくなった時のことばだ。7日間まともな食もなく、従者は病となるなど孔子一団は困窮をきわめた。高弟子路がいらだって、「君子もまた窮するか」と尋ねたのだ。その時の孔子の回答がこれだ。

  孔子は君子もまた状況に追い詰められることはある、しかし、節操を失うことはないと述べたのだ。中国の伝統的な思想に「天」という考えがある。天の摂理に従い、自らの進むべき道をまちがえない、これが「君子」の道だ。「小人」は自らを失い、「みだる」かもしれないが君子は「天」と向かい合い別の道を歩く。

  こうした考えは「艱難」にあった際に威力を発揮する。
  リーマンショックの時に、売り上げが急激に落ち、多くの事業者が恐ろしい目にあった。私の知り合いの事業者たちは急激な変化に眠れぬ夜を過ごした。ある事業者は夜中に目がさめて布団の上で正座し、じっと考えたそうだ。

  そうでなくとも、自分のミスから大きな難儀にあうこともある。私の事務所に来る相談者はこうした難儀にあって自分を失っている例もある。目先の事象にとらわれず、未来を信じて冷静に最善の方針を作り上げる必要がある。「小人」のみだれから、「君子」の気持ちを得る手助けをすることになる。

  このように「天」と「君子」との関係は論語の重要な課題だし、勉強したいなと思う。ちなみに、孔子は紀元前550年ころの人だ。

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