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№1738 幹部たちの反乱

№1738 幹部たちの反乱

 会社管理を怠ると幹部たちがいつのまにか好きかってしていることがある。最近経験した事例でも、幹部たちに任せきりにしておいた結果、彼らが好き放題会社のお金を使ってばくちにつぎ込むというようなことが起こっていた。社長は会社を任せきりにしていたので会社の実態が分かっていない。

 こうした会社幹部たちが腐敗していると、それを是正しようにも彼らが居直ってくることがある。社長の言うことを聞かない、サボタージュするといったことが生じる。こうした問題はかなり根が深いので解決するためには相当な覚悟を要する。

 何というか、こうした幹部は癌化した臓器のようなもので、臓器として必要だが、がんを放っておくと生命体そのものが死に至る。抗がん剤放射線治療のように、徐々に治めていくのがベストだが、どうにもならなければ切り取るしかない。

 会社幹部の場合、多くが取締役になっているため解任は自由だ。但し、解任に正当な事由がなければ任期までの給料を支払わなければらないことがある。最近は重任後10年間の任期でもOKなので、その場合はとんでもない金額になりかねない。

 しかし、こうした腐敗した幹部は多かれ少なかれ問題を抱えている。会社の金遣いが荒く公私混同がある、職権を利用して社内で不倫をしている、果ては同種の事業を行って会社の利益をくすねとる、こうした問題を見つけることはそう難しいことではない。

 特別背任罪業務妨害罪や信用毀損罪などの刑法犯や企業秘密の漏洩などの不正競争防止法違反といったようないくつかの犯罪行為に関わること少なくない。この場合は正当事由を作ることができる。

 ひょっとして、すねに傷ある幹部となっている人が私の記事を読んでいるようであれば、覚悟しておいた方がよい。弁護士がついた場合は原則として治るまで徹底的に戦っていく。

 こうしたガン切除が必要なほど腐敗が進んでいる場合、あわせて会社の健康体を取り戻す行動も必要だ。会社にはコンプライアンス宣言を行い、社長は幹部に任せきりにしておかないで経営に関与する必要がある。

 ともかく、幹部の腐敗の程度を見切るのは容易なことではない。こういう場合には顧問弁護士が必要だと思う。会社の実態に精通し、社長や健全な幹部と親身に話し合いができ、最適な治療方法を見つけ出すという作業は顧問としてのつきあいがないとできない。

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