№1731 縦と横の組み合わせ
物事の効率を決めるのは「縦」と「横」の組み合わせですべて説明できるような気がする。
【縦と横】
縦というのは、複数の力量があわさることで力がさらに大きくなるというものだ。
横というのは、力が並列になることで、時間的な平行が確保できる。
縦の効率は電池を直列につなげば、電圧が倍になるようなものですね。
横の効率は電池を個別に利用すれば、同じ時間で2倍の作業ができるということですね。
当たり前と言えば当たり前だが、応用範囲は広いような気がする。一つの作業が分解されて同時に進行するようにするためには何が必要なのか、複数の作業を組み合わせることで質的には異なる大きな力量を発揮するとはどういう場合なのか、考えてみるのは悪くない。
歩きながら電話をする。歩く時間と電話をする時間が同時並行して効率はよくなる。
事務作業は事務員に任せ、私は法廷に行く。同時に二つの作業が進行する。事務員の事務員としての力量は専門化し、私は法廷作業が専門化する。2つを縦に組み合わせればさらに質の高い事件処理ができる。
【組み合わせのロス】
この問題で見落としがちなのが、連結のためのロスだ。
自分でやった方が早いこともある。ラインで徹底した分業をするようりは、セル方式で屋台を作り、一人で複数の作業をこなしてもらった方が効率がよかったりする。
でも、この連結のロスというのは、本来同時並行的に行うためには、一人でやった方が効率がよいのに、わざわざ複数に分けてしまうのでロスが生じる。つまり、連結のロスというのは実は同時並行という「横」の連結の非効率化だったりする。
小さなコンピュータを複数組み合わせて演算能力を高めるという手法が研究されている。縦と横の組み合わせに伴うロスが大きな課題になっているような気がする。
【単位力量の有限性】
もう一つの見通しがちな罠は、一人の力量が有限であることを前提にしている。
実は一人の力量は想像よりも遙かに大きいかもしれない。あるいは道具、たとえばコンピュータを利用することにより力量は飛躍的に増大するいかもしれない。つまり、いろいろ組み合わせるより、一人の力量を増大させた方がましという場合もある。