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№1720 数学の美しさ

№1720 数学の美しさ

 最近、NHKの熱血教室という番組でラングランズ・プログラムの紹介がされていた。
 数学統一の理論なのだが、シロウト向けにわかりやすく紹介されていておもしろかった。

 「数学」ができる人間はなんだか宇宙人のようで、どこからそんな発想が湧いてくるのだろうと、とても手におえない気がしている。しかし、数学が持つ独創性は当然、私たちの世界に役に立つ。

 数学の持つ独創性が、ちょっとでも私たちに分け与えられれば、私たちも自分たちの世界で独創性を発揮できるのではないだろうか。数学の持つイノベーションは数学という厳密で論理的な思考から想像もできないような世界を導き出すという点にある。

 熱血教室のエドワード・フレンケル教授は何度も「美しさ」という言葉を繰り返していた。それは厳密で論理的に完成されたアイディがまるで神様がくれたように現れてくることを言うのだろう。

 彼はチャールズ・ダーウィンの言葉を引用する。
「私は数学の偉大な導きを多少なりとも理解できるだけの勉強をしなかったことをとても後悔している 数学の能力を持つ人はあたかも第六感を持っているように見えるからだ」

 この「第六感」が大切なのだ。

 たとえば、対称であるということはどういうことか。図形から言えば左右入れ替えても同じ形を対称だというのだが、それは「入れ替えても同じ」ということになる。数字を並べてプラスとマイナスを入れ替えても同じように数式が成り立つのであれば、それは対称ということになる。

 地上でじっとしていて物を動かしても、新幹線の中でじっとしていても物を動かしても同じように物は落ちていく。相互に入れ替えが可能だ。新幹線の中と地上の人たちは同じ世界に住んでいることになる。

 時速300kmで走行している人と、時速0kmで動いていないという人と同じというのは不思議なことだ。さらに考えると、「動いていない」というのは動いていることの一つだ。一定速度でいるということの一つだ。ここで不思議に感じるかが「第六感」の分かれ目となる。

 イノベーションの源泉に物の本質を追究するということがある。たとえば、距離のコストというのは実は時間のコストだという発想がある。つまり、重要なのは距離では無く、時間だったということになる。その場合、自動車で到着するより、遠回りであっても飛行機とタクシーを組み合わせた方が合理的なことがある。

 こうした何が同じで、同じで無いかは数学的な思考のように思う。また、よりシンプルに、より美しく説明するというのも数学的な思考だ。ビジネスでも当然役立つ。

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