名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

名古屋,豊橋,東海三県中小企業法務を行っています。

№1697 おごってはいけない

№1697 おごってはいけない

 私は中小企業家同友会に所属しているが、私がこの会に所属して得た最大の成果は「おごりをなくす」という点ではないだろうか。今日は私が所属する中村地区50周辺を記念して株式会社リバイブの会長の講演だった。

 創業当時は父親が経営する土木事業だった。といってもツルハシをもって穴をほっては土管を埋めるという作業からの出発だ。その後解体業を始め、徐々に廃棄物処理業として発展していく。現在は自社を「循環資源業」と位置づけて活躍している。

 講演にはたくさんのヒントがあった。
 創業時、解体業にシフトが移りつつあったものの、自分では解体業を喜んでいたわけでは無かった。ほこりが出るし、近所から苦情がでるし、大変だというのだ。同友会に入ってそのことを相談したところ、「ほこりが出る原因があれば、それを止めれることを考えればいいじゃないか。」と言われたのだそうだ。

 とても単純な話なのだが、リバイブ会長の話で大事なのは彼がこの言葉の持つ意味の大きさを理解した点だ。原因があればそれを消せばよいとはいかにも単純ではないか。解決できないと複雑に悩む必要は無い。原因があればそれを消す、解決する。世の中のすべての問題はそのようにして解決している。

 私がさらに大切だと思うことは、それを会長が人に言われて気づいたという点だ。人の言葉の中に大きなひらめきがあるとは多くの人が経験することだろう。頭が柔軟じゃ無いとこのような経験はできない。「原因があればそれを消せばよい」、「そんなの当たり前だ、それが分かれば苦労はしない」とやりすごすか? 「確かにそうだ、簡単なことだったんだ!」と思うかはその後の人の運命を大きく変える。

 さて、リバイブの会長のこの話にはこれに加えてさらに大事な意味がある。それは行動と結びついていることだ。経営者の場合、理解と行動は同じ意味としてとらえる。動かなければ何も変わらないからだ。どんな理想も、どんなアイディアも社会が動かなければ無いのと同じだ。

 これは私の信念なのだが、頭のよい者をほど物事を単純化し、頭が悪い者ほど複雑に悩む。物事が単純に理解されれば行動と結びつく。おごりがあればものが見えず、単純なものを単純だとばかにしてしまう。おごりがなければ、単純なものを単純に感動し、行動に移せる。

イメージ 1