№1670 刷り込まれた音楽
わたくしが初めて洋画を友達だけで見に行ったのは中学校2年生だった。なんと「小さな恋のメロディ」を観にいって、ものすごく感激した。映画に出てきたトレシー・ハイドなどはすっかり好きになってしまい、なぜか同級生の女子に重ね合わせてしまい、その子にのぼせてしまった。中学生ですからね。
大好きになってしまい、遠くで見るだけでもこの世で一番かわいい女の子と思ってしまい、胸が苦しくなるほどだった。本当に苦しくなることがあるんですね。そして、頭の中にはビージーズが流れていた。思春期の男子というのは単純ですね。
でも、わたくしの思春期の恋も学校卒業とともにおこりのように取れてしまい、あんなに好きだった「メロディフェアー」や「若葉のころ」もどこかに行ってしまった。ところが、刷り込みというのは怖いもので、どっかで「メロディ フェア」が流れていると不意打ちにあったように必ず反応してしまう。
あんなに簡単に忘れてしまったのに、あのかわいい女子の姿や顔もとっさに頭に浮かんでくるからすごい。でも、きっとものすごく美化されていると思う。そんなもんや。このまま墓場まで持っていくのでしょうね。