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№1640 甥っこのゆーちゃんはベジタリアン

№1640 甥っこのゆーちゃんはベジタリアン

 私の甥っ子のゆーちゃんはベジタリアンだ。本人から直接聞いたわけではないので,なんでベジタリアンかはよく分からないが,単にお肉が嫌いというわけではないらしい。

 知らなかったが,アメリカ人の中でもお肉が嫌いという人がいるらしい。確かに,アメリカに行って,大きなゾウリのような赤身のお肉がバカーンと出てくると食欲が無くなる。肉が嫌いな場合は魚を食べてるんですかね。ちなみに,米国に赴任した友人は米国にいたら赤身が好きになって日本の霜降りのようなものはとろりとして気持ち悪いと感じるようになったそうだ。

 ゆーちゃんのベジタリアンはそれなりに哲学的な考えが背景にあるようだ。動物を工場生産物のように扱っていることに個人的に抗議しているらしい。卵もだめだし,ミルクもだめだ。なぜか,最近は魚はOKになったらしい。しかし,養殖系の魚はだめで,国産天然物に限っているようだから,ゆーちゃんのベジタリアンはお金がかかる。

 ベジタリアンは普通,豆でタンパク質を補っている。私の友人にベジタリアンがいて,かわいい甥っ子のために生活メニューを教えてもらったら,いろいろ豆を混ぜながら生活いるようだ。東京にはベジタリアンの市場が一応あって,ベジタリアンのための食材も確保できるようだ。

 少なくないベジタリアンは思想的,宗教的理由により肉食を経っている。インドのジャイナ教とは厳格なベジタリアンらしい。日本だって,明治維新前までは肉なんて野蛮人の食事だと思っていた。ウサギを食べるにも,これは鳥ですよという意味で「羽」を使って数えていた。

 思想的にはいろいろは系譜があるが,代表的なのは「生命の尊厳」という考えから人が動物を殺すことを禁じたりしているようだ。でもライオンがガゼルを食べることは許されるらしい。近所の小鳥がイモムシを食べてもOKだ。猫などはかなり残酷な殺し方をしてネズミや昆虫を食べているが,これもOKだ。

 生物というのは基本的に何かを犠牲にして生きているので,「生命の尊厳」等と言ってベジタリアンになっているのもどうも嘘くさくていけない。私は仏教徒が肉食を断って真理を求めるのは大いにけっこうだと思っている。万物は連鎖しており,ありがたく食事をいただく気持ちとてもすばらしいと思う。しかし,「生命の尊厳」とか「母なる地球」などと言って,ベジタリアンになっていうのは,論理の飛躍があってついていけない。

 アイヌがヒグマを生け贄にカムイに祈りを捧げる儀式(イオマンテ)は私たちがお肉を食べていることの作法を教えてくれているように思う。