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№1366 老人を護るビジネスって?

№1366 老人を護るビジネスって?

 高齢者が進んで高齢者に関連するビジネスも盛んだ。言うまでもなく老人の特徴は「健康」,「知力・意志力」の低下だ。社会的適応力が低下することは避けられない。こうした老人の最大の問題は,老人以外の第三者が老人の「幸福」を判断しなければならない点だ。

 法律の世界ではたとえ100歳の老人も成人であり,立派な大人だ。一般的な社会的適応能力があるという前提で扱われてしまう。古い社会では親族,地域が護ってくれたかもしれない。しかし,親族,地域自体の保護能力が弱り,都市では失われている例も少なくない。

 こうした中のビジネスは多くのチャンスがあるかもしれないが,一方で様々な問題を抱えることになる。老人との高額な売買,貸し付け,施設には危険がつきものだ。そうした老人護ろうというビジネス自体がまた老人を食い物にするのではないかという危険がつきまとう。

 こうした問題に対処するために成年後見制度があるが,後見人が付されるような事例はそもそも能力が相当低下していていて,日常生活そのものが難しいような事例だ。そこまでいかなくとも低下しているような事例ではどうしたらいいだろうか。

 金融機関に勤めている友人が高齢者との契約についてあいまいさがありひやひやするということだ。あるいは遺言を残そうというビジネスの場合でも高齢者の意思能力をどうするか問題になる。介護施設などでも老人の持っている高額な財産の処理が問題になるだろう。

 合法的なことであっても,法律上の問題を起こしてしまうこと自体が,ビジネスへの信用を大きく損ねるかも知れない。

 当事務所も,顧問先などから「高齢者との契約」リスクをどのように回避するかの相談がある。こうした場合,老人をとりまく環境を正確に理解し,当該老人にとって最適な環境は何で合ったかを考慮して決めていくことになる。

  
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