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№1540 次元とは何か

№1540 次元とは何か

 科学雑誌ニュートン」別冊,「次元とは何か」と衝動買いしてしまった。
 私は「次元」という言葉に不思議な魅力を感じる。

 私たちの世界は3次元+時間の次元ということで4次元ということになる。2次元でも3次元でも平面がまがったり,空間が曲がったりすることもあるというから不思議な感じがする。さらに4次元空間とか,5次元空間とか考えられたりしているらしい。フランスの数学者ポアンカレさんは複数次元の幾何学を切り開いたそうだ。

 ドイツのハウスドルフさんは次元の定義を少し変えて,1次元と2次元の中間の次元,1.5次元とかいろいろ考えたらしい。2.73次元の空間というのもあるらしい。何のこっちゃという感じだが,理屈によって見えない世界を描いていくというのも数学の楽しみの一つだ。

 アインシュタインが空間の実在性を唱え,4次元時空の理論,相対性理論を打ち立てたのは余りにも有名だ。ブラックホールとか特異点とか訳が分からない世界を物理学者達は描いていく。不思議なのは数学という論理的に組み立てられ,論理的に導き出された世界が,物理学の中で現実の世界の説明として用いられていることだ。

 宮沢賢治注文の多い料理店の「山猫軒」は山猫が作り上げた不思議な世界を描いている。何か別の次元が隠されている世界を感じてしまう。

 ルイスキャロルのアリスのお話は「不思議の国」や「鏡の国」が出て行くるが,止まった時間しかもたない世界でいつも何かが繰り返されている。ティーパーティが繰り返されたり,ハートの女王は首をちょんぎることを繰り返している。ここにも私たちの世界とは違う別の次元がかくされている。


      

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 私は出入り口のない小さな部屋に閉じ込められた。4次元人の女性が私を出迎え言った。「3次元人の方ですね。少々お待ちください」。彼女は最初は全ての体が見えていったが,足下からだんだん消えていき最後は首だけになりどこかに消えてしまった。小さな部屋のどこにも出口はない。空間の中から外に忽然と消えてしまったのだ。

 「お待たせしました。」と不意に彼女頭が私の目の前に現れた。しかし,声は上から聞こえてきた。「大丈夫ですか?」と私は肩をたたかれたのだが,そのたたいた手は私の背中,つまり,彼女の頭とは反対側から飛び出してきたのだ。目の前には彼女の頭があって私を見つめ,彼女の右腕は私の後ろから,つまり彼女の頭の反対側から伸ばされ、私の左肩に添えられていた。

  「3次元の方には分からないでしょうけれども,ここは4次元の世界です。私の目からはこの部屋はどこからでも出入りできます。あなたが知ることができないもう一つの次元からはこの部屋には何のしきりもありません。」