№1532 ごろつきのような労組もある
私は労働組合は必要なものだと思っている。憲法も労働者の団結権を保障している。しかし,正常な交渉を行わない労働組合に対しては徹底的に戦うべきだと思う。ごろつきと同じような組合であれば妥協するべきでは無い。労働組合だからと言って何をやっても許されるというものではない。ちょうど,世の中によい弁護士もいれば悪い弁護士もいるようなものだ。
私の依頼者に若い企業家がいる。彼の事業は十分将来性があると思う。
ところが,従業員とうまくいかず,この従業員は退職した上,未払い残業代を請求してきた。元社員は労働組合員加入し団代交渉を求めてきた。団体交渉は労働者や労働組合の正当な権利だからこれを拒むことはできない。
この請求が問題だ。多めに計算しても50万円程度しか無いところをどこでどういう計算をしたのか400万円を請求したのだ。セクハラにあったとか,うつ病になったとか根拠無く請求額を増額してきた。加えて,ボーナス分を支払う請求してきたのだ。ボーナスは裁量性が高い給料で常に出される訳では無い。
交渉の過程で多くふっかけてくることはある。
この従業員のたちが悪いのは,銀行,保証協会,得意先など知りうる限りの関係者に労使紛争があること,さらにはブラック企業だとレッテルはり取引しないよう申し入れてきたことだ。小さな事実を誇張し虚偽に仕立て上げればもはやこれは犯罪だ。
依頼者はまだ起業したてで若い。ある意味勝負をかけて毅然とした態度で対応するという経験が十分ではない。対労働組合,対銀行,対顧客,道理をもってきちんと対応すれば通用するというところの「気合い」を理解する必要がある。
無法なことは無法であると明確に言える経営者として強い資質が必要だ。この場合,弁護士は法的な枠組み,判例の動向,さらには他社の経験などを伝えて交渉の段取りをつけていくことになる。