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№1495 名古屋と尾張

№1495 名古屋と尾張

 織田信長以来,名古屋地方は武家文化で名をはせている。織田信長豊臣秀吉徳川家康,その後の徳川宗春というぐあいに尾張は固有の武家文化を発展させてきた。しかし,尾張の文化はさらに古い。

 古事記日本書紀などでは時々,尾張の話が出てくる。

 尾張氏はもともと天火明命アメノホアカリ)という神様を祖先にしている。この神様は高木の神の子供とということになる。高木の神は天照大神とともに天界を支配している神様なので,その直系の子供ということになるとかなり地位は高い。

 Wikiで調べてみると,尾張氏は古くにおいては天皇家に娘を嫁がせているようだ。壬申の乱では尾張氏は大活躍したらしい。崇神天皇尾張連(おわりのむらじ)の娘,オオアマヒメを妻として迎え子供が生まれている。

 景行天皇の頃に,日本武尊が東国を平定するために出兵した折には尾張国に立ちよっている。尾張国ではミヤズヒメと婚約している。この時,日本武尊は伊勢の大神宮にいたおばさんから草薙の剣をもらったのだが,これをミヤズヒメに預けている。草薙の剣と言えば,スサノオノミコトが八岐大蛇(やまたのおろち)を成敗したときにしっぽから出てきた有名な剣だ。天皇家三種の神器の一つにもなっている。

 ミヤズヒメは尾張氏の祖となり,代々熱田神宮を守ってきた。草薙の剣も熱田神宮の大切なご神体になっている。なんでも,第二次世界大戦の敗戦後,GHQに没収されては大変ということでご神体を一時どこかに疎開させたらしい。

 尾張はなんと言っても濃尾平野がある。木曽三川のデルタにはあゆち潟の言われている広大な湿地帯があった。さらにその周辺には肥沃で平坦な土地が広がっていたことになる。これに加えて,熱田は経済の要所としても発展し,熱田の周辺にはたくさんの文化が生まれている。

 熱田では江戸末期,神戸節(ごうどぶし)と呼ばれる歌が生まれ,やがて名古屋節と言われるようになり,江戸に伝わり都々逸となっている。「どどどいつどいどい,どどいつどい」という調子の良い響きが熱田や名古屋の繁栄を歌っているように思う。

 尾張地方ではこのように文化的にも経済的にお発展していた地域を背景に織田信長も生まれたのだ。