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№1485 生き物の隣

№1485 生き物の隣

 生き物の隣で住むことはうれしいことだ。
 家に庭があって,木々が徐々に大きくなり,地面には草花がある,時々ほスズメ,ホオジロやウグイスなんかがやってくると本当にうれしい.庭がなくともベランダに植木を配置している家庭は多い。

 これが田舎の生活となるともっとうれしい。小さな菜園などをやったり,近所の里山を散歩するのもいいかもしれない。樹木が季節とともにいろいろな形に変わっていくことをみるのは楽しいことだろう。

 生き物だけでなく川や山,海岸,海など相互の関係を私たちは生態系と呼んでいる。生態系はもちろん人との関係でも成り立つ。都会では人の生活まで生態系の一部というのは中々意識しにくいが,それでも何かある。都会のカラス,スズメ,時にはクマタカ,ニューヨークの摩天楼にはハヤブサがいるという話もある。

 都会になってすっかり変わってしまったけれど,ささやかでも自然を回復することはできる。野生生物といっしょ住むこともできる。ここが人間の知恵のみせどころだ。たとえば私たちの庭,雑草なんかいやだというので石などしきつめないで,雑草だと思っている植物をよくみてみよう。自分の庭にテーマを持つこともいいかもしれない。

 お屋敷の木々も相続税のためになくならないよう,林として保存している場合は特別な減税があってもいい。自然生態系に近い公園を増やし,それぞれを個人の作った森,つまり庭でつなげる政策があってもいいように思う。

 幕末,アメリカ人たちは江戸に行ったとき,江戸のという大都市の中心地にも多くの鳥がいることに驚いたそうだ。アメリカ人達がむやみに殺生するのをみてこれを禁じようというので,日米和親条約細則,下田条約にはこんな文言が入れられた。

「鳥獣遊猟は、都て日本に於て禁する処なれは、亜墨利加人もまた此制度に伏すへし。」

 日本は本来,自然とうまくつきあう文化をもっていた。日本の都会はいつのまにかこの文化を失ってしまった。今からでも遅くはない。やれることをやって,日本の都市に「生物の多様性」を実現したいものだ。