№1467 マイケル・ポーターが始まった
毎日少しずつマイケル・ポーターの「競争の戦略」を読み始めた。いろいろなビジネス書に出てくるセンテンスが至るところから出てくる。「出所はここだったんだねぇ」となんだか,いつもテレビに出てくる人を直接見てうれしい,というような感じになってくる。
まずは「5つの競争要因」だ。
「新規参入の脅威」,「買い手の交渉力」,「代替品・サービスの脅威」,「売り手の交渉力」,「業者間の敵対関係」とどこかで何回も見たような図が出てくる。
この「5つの競争要因」に入るに先立って,ポーターは「業界」を定義する。それは「互いに代替可能な製品をつくっている会社の集団」というのがポーターの定義だ。
「代替可能な製品」と私たちはいつも競い合っている。この業界の中で,持続性を獲得しなければならない。さらには競争優位を獲得していかなければならない。しかし,競争者は同業者とは限らない,国内とも限らない,シルクがナイロンに負けてしまったように,瀬戸物がプラスチックに負けてしまったように,同じ物とは限らない。
この定義で重要なのは「代替可能」とすることで,一体どこで競争が起こっているのか明確に意識できる点だ。
ポーターの明快さはこうした非常に単純な議論から始まる点だ。そして,ポーターの天才はその事例の豊富さと,考察の深さにあるのだろう。ここまで多くの事例をかかげて,ここまで多くの分析軸を提供しているとは!という感じでその才能に感動してしまう。