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№1434 経営課題勉強会

№1434 経営課題勉強会

 私が所属している中小企業家同友会では月一回の例会を設けて企業家達の勉強会が開かれている。

 昨日の勉強会は自社の経営課題は何かというテーマだった。小グループに分かれて,自社の商品,自社の営業,自社の経営などの項目から選択して各社の課題を相互に評価し合うというものだ。

 他社のわずかな隙間だが,他社の経営課題がぼんやり見えてきて面白かった。

 ある司法書士事務所の経営課題は事業の拡大だった。保守的に事業を守っているという志向では,守ることすらできないという。
 一般に事業拡大の路線はつぎの2つだ
 ① 自社の今ある中核的な事業を拡大していく
 ② サプライチェーンを見直し,自社の近縁,関連する事業に拡大していく

 司法書士業務は登記業務が中核なので,銀行,不動産業など大型顧客を吸い取っていく営業を仕掛けることになる。この経営者はそれは限界があると感じているようだ。むしろ,近縁業種,たとえば不動産業とか,後見業務とか登記に関連して実施される関係業種そのものを始めるということも考えているようだ。

 あるアパレル系の事業者は,たぶん大手ブランドにいかに対抗するかとという課題を話したのではないかと思う。つまり,小規模小売りの場合,ブランドを手がけて事業を維持するか,まったく自社のオリジナルな商品で勝負するかが分かれ目となり,この事業者は後者を選択したということになる。

 大手ブランドに対抗するためには,店主,店員の個性が顧客にフィットし忠誠的な関係を築き上げていく必要がある。この事業者は長く店舗を展開してそれなりにこの方式を身につけてきたのではないだろうか。

 しかし,それでも自社のコアコンピタンスを改めて見直す必要があるという。それは事業者,店員が年をとってきてマンネリ化し始めている点があるという強い問題意識がある。
 
 この事業者はアメリカ,特にニューヨークの隠れたブランドを発掘して自社のオリジナルな傾向を作るということをしているようだ。これを自社製品の傾向とし,これが他の商品,衣類,下着などの一般の商品を牽引していくというような戦略を思い描いているのだろう。

 中小企業はおもしろい。各事業者ごとに明確な自社のコンセプトを持っており,意欲的な事業者はそれに磨きをかけようとしている。個性派の集団の中で生きていくのは実に楽しい。