№1430 聞いてみてごらん「グノシエンヌ」
「家具のような音楽(musique d'ameublement)」,生活の中にあって妨げない音楽というのが彼の信条だった。確かに彼の音楽は人のいない古風な家の中を思わせる。主のない家で,動かない家具達の魂がじっと動かず時を止めているような印象だ。
サティは 『官僚的なソナチネ』『犬のためのぶよぶよとした前奏曲』『冷たい小品』『梨の形をした3つの小品』『胎児の干物』『裸の子供たち』のように、作品に奇妙な題名をつけたことでも知られている。(Wiki)
この時代,音楽の世界でもドビュッシーなどの印象派が台頭してきた。音楽には門外化の私にはドビュッシーとサティの区別がつかないことが多い。でも,星や月,宇宙や静寂,異なる世界への扉のような音楽は私に対し強い想像力をかき立てる。それは私たちが決して触れることができない世界だ。それはチャールズ・ドジソンが憧れたアリスのいる世界かも知れない(写真はアリス・リデル)。