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№1295 あした浜辺にさまよえば

№1295 あした浜辺にさまよえば
 薬師丸ひろ子がCDを出して、日本の唱歌を入れていた。「セーラー服と機関銃」以来、ほぼ私達の世代の音楽なので、彼女が歌うととても懐かしい。「じぇ、じぇ」ってか?

 薬師丸ひろ子が浜辺の歌を歌っている訳ではないが、数ある唱歌のうちでも、私は浜辺の歌が一番好きだ。「あした浜辺に・・・」と歌うとなんだかぐっと来る。でも、子供の頃は「あした」とは「明日」かなんて思っていた。「朝」ですよね。

あした浜辺を さまよえば
昔のことぞ 忍(しの)ばるる
風の音よ 雲のさま
寄する波も 貝の色も

ゆうべ浜辺を もとおれば
昔の人ぞ 忍ばるる
寄する波よ 返す波よ
月の色も 星の影(かげ)も

 考えてみれば、郷愁を誘う歌はたくさんある。
 私は京都大学出身ということもあって、「三校寮歌」とか、「琵琶湖周航の歌」に特別な思い入れがある。京大生にとって「吉田」という言葉の響きには独特なものがある。京大は吉田山そばにあり、そこには吉田神社がある。

 ああ、なんだか懐かしい。過去に生きるなどくだらない、私は思い出を語らない、古い写真など破り捨ててしまえ、私はいつもそんな葛藤と戦い生きてきたようにも思う。でも、こういう歌を聴いてしまうと、涙が出てしまう。

 生きることの切なさは刹那に潜んでいた美しい感情うちにある。失われてしまった美しいものを思うと自分は何のために生きているのだと思わずにはいられない。