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№1268 台湾経済事情

№1268 台湾経済事情
 私が所属する中小企業家同友会では海外問題の勉強会も開いている。昨日は台湾、真理大学に在籍されている林冠汝先生をお迎えして「日本・台湾・中国の企業連携の課題と展望」という課題で勉強会を開いた。

 私の考えでは昨今の日本の情勢で、台湾は非常にホットとな場所の一つになっているような気がする。日本企業はいかに台湾を活用するかに注目している。

 それはなんと言っても、台湾の経済力が伸びてきていることにあるだろう。台湾市場も中小企業にとってはけっしてばかにならない。それに台湾市場で成功させて中国で応用するという戦略もあり得る。

 台湾が注目されるもう一つの理由は、2009年に締結されたECFAの締結がある。ECFAとは両岸経済協力枠組協議のことだ。中国と台湾との自由貿易協定のことで、二カ国協定なのだが、中国は台湾を国と認めていないので「両岸」などという言葉を使っている。

 これは台湾、中国両国の関税を2013年までにほぼ0にしてしまうという協定だ。そのため、経済的には中国と台湾との障壁が無くなり、台湾を通じて中国への進出が容易になる。実際、2008年にはECFAを見越して日本の投資が急激に伸びた。

 台・中市場の一体化は対中国不信のある日本にとっては、中国への台湾を足場にする点出意味あることかも知れない。
 台湾は親日家も多く、自由主義経済圏という意味では共通の価値観も持っている。勤勉さもあるようだ。こうした事情が改めてクローズアップされ、日本にとって台湾はホットな場所になっているかもしれない。

 林先生の講演はいくつかの点で意義深いものだった。
 彼女は日台企業連携にかなり努力し、青年実業家の交流や、日台連係の政府プロジェクトにも参加しているということだ。