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№1266 課税不服審査の勧め

№1266 課税不服審査の勧め
 課税には間違いがあってはいけないが間違いは起こる。そんな時は不服審査手続きを利用することをお勧めしたい。税務署に対しては黙って引き下がる必要は無い。ちゃんと食い下がることは、今後にもつながる話だ。

 消費税、所得税法人税相続税贈与税、固定資産税など企業が直面する税金はたくさんある。税金の取られすぎということも少なくない。税理士さんによっては税務署に逆らうと後で損をするという先生もいるらしいが、私の知る限り、きちんと対応する先生の方が税務署側も緊張し、むやみなことはできないように思う。

 ともかく、違法、不当な課税処分がある場合には「異議申立」、「行政不服審査」、「訴訟」の三段階がある。

 異議申立というのは課税当局に対して行うもので、処分庁に考え直してもらいたいという手続きである(国税通則法75条1項)。再考するということであるから、普通は変更されない。

 異議申立が終わると、次に審査請求をすることができる(国税通則法80条)。これは国税審判所長に対して行うものだ。裁判のようなところもあるが、もっと柔軟な手続きとなる。直接審判官に会って協議のようなことが行われる。

 審判手続きのよいところは違法かどうかというだけでなく、当不当という判断も行うところだ。つまり、違法とは言えないが不公平で妥当でないというような課税処分があると、それも取り消すことができる(行政不服審査法1条1項)。

 審判手続きを経ると裁判ということになる。裁判は証拠に基づく厳密な手続きなので、裁判をするかどうか慎重に判断する必要があるだろう。これは行政訴訟という特殊な分野なので普通の弁護士はめったにやらない。

 しかし、税務訴訟もお勧めしたい。行政に対して明確な姿勢を持つことも企業にとって重要だからだ。もし、税務訴訟をするというのであれば、依頼は当事務所にどうぞ。当事務所は行政訴訟は専門分野の一つだ。

 異議申立手続き、国税不服審判手続きは前置主義と言ってこれらを経ないと裁判ができない。但し、所得税法人税については青色申告で確定申告を出している場合には審査請求からは可能であるが、異議申立を省略することの意味はあまりない。