№1202 最近の中国事情
昨日、ある社長と話す機会があった。彼の会社は中国に進出していたが、撤退を考えているという。理由はいろいろある。
一番大きいのが人の問題だ。中国人件費は上昇を続け、このところ中国の人件費は高騰を続け、あわせて社会保険料も上昇しているという。かつてのような安い人件費でコスト削減を図るということも難しいという。さらに、人も中々集まらないらしい。
ワーカーなど熟練を要する人材は鍛えてはみても、すぐに転職してしまうと嘆く。中国人にとって日本企業で働いた経験があるというのはキャリアとして重視されるという傾向にあるという。そのため、一旦日本企業で働いて転職するという例は多いのだそうだ。
中国企業の伸びもある。日系大手企業もだんだんローカル企業に注文するようになってきているのだそうだ。同じ中国にいる企業ということであれば、ローカル企業の方が競争上有利だという。例えば、コストの点ではローカル企業の場合、社会保険に入らないまま事業を継続している例があるということ。日系企業であっても働く者は中国人であるため、どうして中国人同士のコネクションがものを言うらしい。
ともかく、この社長の方針は中国から撤退するというものだが、中国では企業の撤退がまた難しい。ちゃんとしたルールが確立していない上、撤退そのものは開発区などの利益にならないため関係者がサボタージュするらしい。