予備校に通う次男なーちゃんだが、ぶっきらぼうだ。女子には感心があるんだかないんだかさっぱりわからない。お父さんはというと女子は大好きなので、予備校にどんな娘がいるか興味津々で聞くが、いつもめんどくさそうにして相手にしてくれない。
しかし、お母さん情報網というのは恐ろしく発達していて、妻はいろいろ知っている。予備校女子の間で、なーちゃんはけっこう話題になっていること、女子の間では「カッピー」(注:かごはしカッピーです。)というあだ名までついていること、どうも意外とイケメンで通っていそうだということなど女子のうわさの内容まで知っていた。おそるべし。
もちろん、なーちゃんは自分がカッピーと呼ばれていることなど知らない。「カッピーと呼んでくれ。」とか、何とか女子にアピールすればよいものを。しかし、予備校生たる者、恋は路傍の石、大志のじゃま、とんでもないということかな。