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№1145 ばあさん元気ないぞ

№1145 ばあさん元気ないぞ
 籠橋家では婆さんは、生きたご先祖として敬っている。週に1回は必ずご機嫌うかがいに出かけている。子供らが名古屋に帰ってきた時にはご機嫌伺いをさせている。

 婆さんは呉服の行商で一稼ぎし、私達兄弟を育ててきた根性は実に偉大だ。私達兄弟は母親である婆さんには育ててもらったという大恩がある。しかし、そのばあさんも83歳になり、さすがに衰えは隠せない。

 最近はときどき物忘れがあるようで、買い物に2回出かけて、同じ物を買ってきたり、栄(名古屋の繁華街)まで行ってはみたものの、何しに出かけたか忘れてしまうようなこともあるようだ。これはいかん。

 最近は医学が発達して、痴呆を遅らせるような薬も出ているようだ。本当は私ぐらいの年から服用を始めた方がよいという話もあるが、うちのばあさんにも飲んでもらいたいと思う。

 しかし、ばあさんは薬を頑として受け付けない。彼女の薬はだいたい陀羅尼助と正露丸と決まっている。なぜか、パブロン信仰があって、風邪を引いたらパブロンを飲んでいる。だいたい、これくらいの薬で世の中わたっていけると信じているところがあって、どうも困ったものだ。

 物忘れ対策のお薬などどうかと勧めてみるのだが、いやがる。そのうち、忘れた方が幸せだなどと居直っている。私の妹がいっしょに説得してくれればいいのだが、妹は記憶の問題をかなり軽く考えていて、変な薬は飲まない方がいいぐらいに思っていて、ばあさんといっしょになって忘れた方が幸せなどと言っている。

 ともかく、一人暮らしもそろそろ限界になっている気がしてきて、籠橋家はいよいよ次の段階に入るのかも知れない。