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№1133 ひーちゃんの就活

№1133 ひーちゃんの就活
 長男ひーちゃんは大学院に入っていて、現在就活の真っ最中だ。最近は就職のことで相談を受けることも多い。

 ひーちゃんは理系だし、研究機関のある企業に就職したいと考えている。弁護士の場合、文系中の文系というようなところがある上、別に大企業をクライアントに持っているわけでもないので、どう相談に乗っていいか分からないところもある。

 彼も親父はどうせ分からないだろうが、話しているうちに自分の考えがまとまるぐらいに思っているかも知れない。

 というので私なりにいろいろ考えているのだが、ひーちゃんが目指すような物理化学系のメーカーは当然、学術的な研究能力の高い人材を選択するのだろう。しかし、それだけではない。求める人材にいくつか特徴がある。例えばこんな風ではないだろうか。

 第1に研究能力がなければならない。ひーちゃんはまがりなりにも大学院にはいってるぐらいだからきっと研究能力はあるのだろう。私には分からない。

 第2に研究はチームで行うものだ。リーダーが特定のテーマを設定し、参加者が独自性、独創性を駆使しつつ、建設的な意見を述べることになる。自分の意見が明確かつ建設的にに述べられる必要がある。

 それが、例えば「撤退」という最悪のシナリオであっても建設的な姿勢が求められる。私達の場合、こういう姿勢のことを時に「戦略的な」姿勢と呼んでいる。

 第3に会社に対する関心が語って欲しい。私が人事担当者であれば、会社の中心部分に関心のベクトルが向くことを求める。これは若者らしく、会社が持つ発展の方向に自らも関わりたいという要求だ。

 第4は学生時代の過ごし方だ。学生時代にどんな体験をしてきたかで、人となりがある程度分かる。

 第5はグローバルな人材というところか。グローバルという時、当然世界で通用するという意味になる。それは世界で通用する高い技術という意味もあるだろう。しかし、今の社会で重要なのは世界の「知識」、「技術」と連携する能力ではないだろうか。

 どっちにしろ、自分の人格、能力以上のことを表すことはできない。自分の歩んできた人生をきちんと振り返り、企業から見て自分の良い部分きちんと言えるようにするという当たり前のことをすることに尽きるというように思う。まちがっても、有名大学だから楽勝だなんて思い上がった態度にならないことだ。