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№1217 親子の確執

№1217 親子の確執

 現在、多くの企業が事業承継の時期に来ている。高度経済成長期、創業者が小さな工場から事業を起こし、やがて大きくなっていく。今では1億,2億円と利益の出る会社に成長したというような例だ。

 高度経済成長期創業したような会社の場合、創業者はいまでは70代、80代となって会社に君臨している場合が少なくない。もっとも、それなりの企業を大きくした社長だから跡継ぎのことをちゃんと考えている。だいたい息子が30代ぐらいの頃から自社に入れて次の社長はおまえだという感じて会社を経営している。
 
 後継者は30代ぐらいから社長のつもりで働いているから、俺が社長になったらこうしてやろうなどと思いながら研鑽を積んできている。そのためか、どうしても先代のやり方に対して批判的な視点になる。

 当然、創業者にしてみれば自分のやり方が否定されてしまうのだからいい気分ではない。こうした場合、40代後半ぐらいから息子は社長になることが多いが、会長は思い通りに会社を動かせなくなる。新社長は新しい機械を買入社内の雰囲気も変わっていく。子飼いの社員は定年で辞めていく。

 この時点で、創業者の気質がかなりはっきり分かれてくる。
 「ああ、息子も立派になった。」と思うか、「おまえ好き放題やりやがって、俺を怒らせたらどうなるか分かっているのか。」と思うか、かなりはっきり分かれる。特に80代ともなると頭が固くなり、幼児化しつつあるのでわがままな傾向がつい出てしまう。

 こうなると本当に困った会長となり、勝手に税理士をクビにしたり、気に入らない事があると会社に来てはどなりちらしたりする。

 会長が大株主なのだから会社は会長の意向で動かそうと思えば動かせる。実際には80を過ぎると社員が会長にはついていかないため、会長がいくら怒鳴り立ててもどうしようもないところがある。

 新社長としては残念ながら会長が亡くなるのを待つほかないが、会長の暴走を防ぐために、早い時期から弁護士、税理士などとうちあわせながら対策を立てていくことになる。

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