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№1208 破産について再度整理

№1208 破産について再度整理
 中小企業の破産事件が増えてきているのでもう一度整理しておきたい。
 
■ 破産原因
   破産は支払不能が要件となる。支払不能については法人の場合「支払不能又は債務超過(債務者が、その債務につき、その財産をもって完済することができない状態をいう。)」と定められている(破産法16条1項)。負債が積極財産額を上回っていれば破産できるということになる。

■ 破産の開始
  破産は申立によって開始される(法30条1項)。申立が無ければいくら借金があっても破産にはならない。手形や小切手が不渡りになっても破産は開始しない。そのため、不渡りが2回出た会社でも破産しないまま、経営を続けている例がある。

■ 破産申立
  会社が自己破産する場合には取締役会の決議を経た上で代表取締役が申し立てる。取締役が単独で破産申立をすることもできる(法19条1項)。取締役が単独で行うような場合を私達は準自己破産と呼んだりする。

  債権者も破産を申し立てることができる。この場合、予納金と行って裁判所に納める金額が高いことや、破産して意味ある場合が少ないのでめったに債権者破産になることはない。私の経験でも2回ぐらいしかない。

■ 破産費用
  予納金と言って、裁判所に予め費用を納めなければならない。この費用はほとんど破産管財人の報酬になる事が多い。
  だいたい、40万円から80万円ぐらいだ。個人破産が加わると、これに20万円から4万円ぐらい加わることがある。大きな会社の倒産の場合はもっと高い
  さらに、弁護士費用が加わることになる。
  破産するにもお金が必要で、通常150万円から200万円ぐらいは用意する必要がある。これより安く行う方法はないわけではない。