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№1197 今を大切にする

№1197 今を大切にする
戦略上の意思決定において問うべき問題は、明日何をなすかではない。「不確実な明日のために今日何をなすべきか。」である。

The question that faces the strategic decisionmaker is not what his organization should do tomorrow. It is , "What do we have to do today to be ready for an uncertain tomorrow"

 ドラッカーの特徴は今の決断を大切にする点だ。未来は常に不確実だ。リスクという言葉があるが、結局は「不確実」を言い換えたに過ぎない。リスクを引き受けるとは、不確実な中で決断するということになる。

 ドラッカーはこの不確実さを引き受けることができるのは経営者だけだという。経営者は遠い未来つまり「明日」を考える。未来は見通せないが、想定することができる。想定の範囲で考え得る未来像を描き、そして今を決断する。それが経営者だ。

 ドラッカーの場合、決断と行動、そして成果というのものが常に一体化しているように思う。決断とはリスクを引き受けるということだが、それは不確定な未来への道筋の中の一つを選び未来に向かうことを意味している。未来に向かうとは、前へ進むということだし、それは成果となって具体化していく。

 例えば、私の弁護士業界では生き残りをかけて多くの経営上の決断をしなければならない。そのため、私の事務所は中小企業問題に特化し、専門性を発揮しようという考えである。その中でも「戦略的」であることが他の法律事務所に対して差別化することになるだろうと考えている。わたくしはあと10年もすれば私の戦略が正しいものだったと立証されると信じてやまない。10年後の未来のために今の仕事の内容を決断しているわけである。