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№1192 ツバル紀行

№1192 ツバル紀行
 ツバルに行ってきました。戻ってきたとたんに日常業務が待っていて、大変です。今の自分が本当なのか、ツバルでの自分が本当なのか考えさせられてしまいます。

 今回のツアーは地球温暖化にともなう被害調査というのが目的です。名古屋からソウル、インチョンまで2時間程度、インチョンからフィジーまで10時間、さらにツバルまでは3時間と飛行機を乗り継ぎます。ツバル行きの飛行機は週1便から2便程度しかなく、一回行くと1週間は滞在しなければなりません。

 ツバル国は9つの島でできあがった小さな国です。9つの島といっても、島群といった方が適切で、アイランドはアイレット(islet)と呼ばれる日本で言うなら、石垣島にある竹富島程度より小さい島が集まっています。飛行場のあるフナフチ島からさらに離島に行くとなると大変で、船が1ヶ月に1回しか出ないということもあるそうです。天候が悪くなると船の運航ができず、いつまでも待たなければなりません。しかし、彼らは島が離れているという考えはなく、島が海でつながっていると考えています。

 ツバル国はとても小さな国で、どこかの小さな村をそのまま国家にしたような感じです。首相にもお会いし、いろいろ意見交換をしました。

 ヤシやバナナ、アダンが多くあり、海岸線はとてもきれいです。多くがキリスト教徒で、土曜日、日曜日になると島のあちらこちらで賛美歌が聞こえてきます。ツバルの人は歌や踊りが大好きで、毎晩、とこかの家で歌ったり、踊ったりしています。誰にも挨拶し、お互いにあいさつの時にお互いに笑いかける習慣があります。

 独自経済に乏しく、通貨もオーストラリアドルが流通しています。漁業権、切手販売など独自産業によって経済を自立させるという具合になっていません。海外からの援助もツバルにとっては非常に重要な収入源となっています。平和なこの島は本来は自給自足が適切な地域であろうかと思いますが、一方で一定の外貨収入があるので、それにより火力発電(小さな発電所ですが)を行い、自動車、パソコン、電気設備などといった現代的な商品も入ってきます。

 このジレンマによってツバル国は社会の持続性に苦慮しています。例えば、ごみ問題一つとっても解決できていません。機械などが壊れると、直せないのでそのままごみになる例もあります。ホテルがあるのですが、設備更新ができない状態です。

 でも、人材がないかというとそうでもないのです。英語と公用語なのでツバル人の多くは英語を話します。子供たちはみな学校に行きます。中には非常にきれいな英語を話す子供もいます。中にはフィジー大学に進学して弁護士などになる者もいます。海員学校からは多くの船乗りが排出されています。

 この国の良い点、問題点は非常に見えやすい形で現れています。私などは行ってみると私でも何かできてしまうのではないかとつい思ってしまうほどです。

   ツバル、フナフチ環礁 フォンガファレ島           ツバルの夕日

  写真   写真
   海岸が浸食されヤシが倒れている。    ツバルの首相との写真