№1148 不況を乗り切る骨太原則
不況は辛いので、私達はたちどころに商売がうまくいくような「打ちでの小槌」を期待する。こんなときは心が卑しくなるので要注意だ。商売は樹木が根を張るようなもので、だんだんと、時間をかけて作りあげていく。
さて、私が所属する中小企業家同友会ではポスト金融円滑化法の議論がさかんだ。金融円滑化法が終わり、銀行はリスケの継続を渋るようになるだろう。中小企業の場合、大部分が中小企業金融公庫を利用しているので、金融公庫など政府系金融機関がリスケを渋るかどうかがカギとなる。
しかし、忘れてはいけない。借りておきながら元金を返さないというのは本来とてもイレギュラーなことで、金融のルールからいって許されない措置なのだ。リスケはいつかの時点で行われなくなる。経営者たる者、肝に銘じて経営改善に向けて必死にならなければならない。それは「必死」のテーマだ。
① 会計を整備してキャッシュフローの現状及び見通しをリアルタイムで正確にする。
② 不動産、保険など余分な財産を整理して支払を小さくする。
③ 徹底的な経費削減政策を作り出して筋肉質の企業に鍛え上げていく。
④ 複数の銀行と交流し、少しでも金利の低い商品、少しでもサイトの長い商品を選ぶ。
⑤ 少しでも元金を返済する計画を立て、3年から5年の債務削減計画を立てる。
しかし、こんな対策は必須だが基礎を作りあげるだけの対策だ。
基本的には顧客が増えなければ商売は立ち行かない。増収しなければ商売は立ち行かない。その増収は樹木が根を張り大きくなるようなもので一朝一夕にはいかない。これらは3年、5年と肝を据えてかからなければならない。一体、市場拡大イノベーションの骨太原則はどこにあるだろうか。
① 自社の顧客、自社の仕事を顧みて何が強みかよく分析し、その応用範囲を考える。
※ イノベーションの手法はある意味ゲームのようなところがある。頭を柔軟にして、アイディアを放散し、それを系統的にまとめていくことになる。
② 他社との交流、他社との連携を通じてイノベーションを獲得できないか考える。
※ 企業連携のあり方は、つねに分業と協業の発想だ。特定の目的に向けて企業連携が組み立てられていく。ベスト音楽を作る為に誰と誰とのミュージシャンの組み合わせが最適かを考えるのに似ている。
③ 新市場、海外対応の中で活路がないか考える。